
今回、「『行きたいお店』を自分で創れる人財の集団」を探るため潜入したのは、サラリーマンの街ともいわれ、居酒屋の店舗数が顕著に多い東京港区・新橋にある居酒屋チェーンのひとつ「くいもの屋わん」の新橋店。筆頭兼務店長の村木さんにお話を伺いました。
スタッフの定着はお客様にとって安心材料のひとつ
──お店のコンセプトと、それをどう運営に落とし込んでいるか教えてください
「くいもの屋わん」のコンセプトは、“100年前の古民家”です。古民家で個室があって落ち着くというところと、ナショナルチェーンなのでいつ来ても安心・安全というところですね。
何よりお客様から、”従業員が定着しているからいつ来ても安定していて、提供スピードが早く、クオリティが保たれていて安心できる”というお声をいただいていて、そこが一番のお店の強みになっていると思います。
──従業員の定着や育成に関して何かされていることはありますか?
アルバイト含めスタッフの安定に関して、実はこれといって何かしたということはないのです。ただ、良くも悪くもスタッフ個々に合わせた指導はできているように思います。例えば他の飲食店で働いていて厳しすぎて辞めたとか、人間関係でつまづくということが多いと思いますが、うちは比較的そういう部分が少ないお店だと思う。それが離職の少なさにつながって安定した運営ができて、お客様の満足度につながっていると思います。
──特に意識して取り組んでいることはありますか?
飲食は体を動かす仕事ではあるので、お金を稼ぐことだけにスタッフを注力させてしまうと、どうしても楽な方に流れがちになってしまう。なので例えばアルバイトさんに向けて目標設定しているのは、この店でやっていることは自身の成長だったり、社会人になるまでの助走期間で、職業訓練のような位置づけだと思ってもらえたらいいと伝えていて、厳しいけど先々自分のためになるということを理解してもらっています。
──アルバイトさんたちがしっかり解釈してくれているのですね
そんなに甘やかすこともなく時には厳しいことも言いますが、「ここは職業訓練校だと思ってますので」ってアルバイトさんから言ってくれます。基本的に、人と携わるなかで一番大事なことは思いやりだと思うし、それを自分も体現していけるように努めています。
自信を持って働けるお店だからお客様にファンになってもらえる
──お店のファンを増やすためにしていることはありますか?
新橋は名だたる企業が多くありますから、そういった企業さんにどう使ってもらうかというところは考えてやっています。例えば優待特典を付けるなどして。メニューに関してもトレンドにアンテナ張って居酒屋でマッチできそうなものは工夫したり、時にはお客様から要望をいただくこともあって、お客様が求めているものを身近で知ることができ、反映していけるのも良いところだと思います。
──お客様との印象的なエピソードなどはありますか?
僕がここに来る前にいたお店で、その時も店長をやっていたのですが、その時はかなり常連様に支えられていたお店で、僕がお店を移る時に常連様が来店してくれて、感謝を伝えていただいたりプレゼントをもらったりということがあって。その時はこの仕事をしていてよかった、このお店でやっていてよかったなと思いました。
あと忘れられないのは、コロナ禍が明けたときの、お客様に「ごちそうさま」を言ってもらえたありがたみ。コロナを経て改めて感じましたね。

「くいもの屋 わん」
自分のつくりたいお店をつくらせてくれる会社
──オーイズミフーズで働いて魅力に思うところはどこですか?
店長の裁量権が大きく多岐にわたるので、自分の考えや戦略とかが売上に反映してくる楽しさなども大きく、やりがいが持てる仕事ができるというところかな。それをずっと続けたいと思えるから、自分もずっと歩みを止めないというか、時代が変化しているので、自分を自分でアップデートしていかないとついていけなくなるから常に学んでいる。そうやって学んでいくところが、飽きないという点でもとても良いです。
──この会社でお客様にどのような食体験を提供していきたいですか?
お店に来てくださるお客様には、笑顔で帰ってほしいです。いろんな背景があって、お客様はお店に来られていることと思います。新橋ですから、異動していくサラリーマンの方の送別会だったり、会社でうまくいってなくて愚痴をこぼしている席があったり、接待だったり。はたまたプライベートでのご利用でデートだったりとか。いろんなお客様のそれぞれの来店の背景があるなかでも、お店を出る時には笑顔になって帰ってほしい。僕らの出してる料理を食べてお客様が笑顔になって、美味しかったよって帰ってほしいと心から願っています。
編集後記
現在50業態320店舗を展開している株式会社オーイズミフーズのなかで、入社から16年以上「くいもの屋わん」に携わってきたという村木さん。入社2年目ぐらいで店長になられたということで、店長歴は約14年になるようです。
店長職としてスタッフの採用にも関わり、顕著に居酒屋チェーン店が多い新橋では外国人スタッフの活躍も多いようですが、こちらの「くいもの屋わん」新橋店では日本人スタッフが多く在籍されているとのこと。それもひとえに、村木店長の人柄によるもののように感じられました。
店長職としては他にも、宴会コースメニューを考えたりなど、裁量権の大きな仕事ができて「簡単に言うと自分が出資しないで個人店をやっている感覚」とのことでした。
楽しんでやれているから、職場やスタッフたちの雰囲気も良く、定着率がいいのでお店の効率も良く、お客様に安心感を与えられるお店をつくることができているようです。
今後はエリア長やSVなども目指してみようかなということでしたので、こういったお店がもっと増えていくのが楽しみです。


