インタビューにこたえる岩城支配人


ニューヨーク・マンハッタンに本店をおく「BENJAMIN STEAK HOUSE」。その六本木店では、本場の伝統を受け継ぎつつ、日本ならではの繊細なサービスでゲストを魅了しています。
この名店を運営するのは、業界屈指の堅実経営で知られるオーイズミフーズ。「関わる全ての人にHappyを」という企業理念のもと、国内外に50業態320店舗を全て直営で展開しています。

今回は、そんな美食家たちの信頼を得る六本木店で、支配人を務める岩城 仁美さんにインタビュー。飲食業界に20年近く携わるサービスのベテランである彼女が考える「お客様に最高の満足を提供する」こととは何か。常に高みを目指し続ける仕事への想いと同店の魅力に迫ります。

ブランドの真価を追求するのが支配人の仕事

──オーイズミフーズに入社したきっかけは?
オーイズミフーズに転職したのは、自分自身のさらなる成長を求めたからです。
私はこの会社に、事業の発展性を強く感じましたし、何より「関わる全ての人にHappyを」という経営理念に深く共感しました。

「全ての人」とは、お客様であり、お取引先様であり、私たち自身でもあります。社長の考えにも共感する部分が多く、この会社でなら、よりお客様に喜びを提供できると確信したんです。

──前職はどんなお仕事をされていたのですか
前職もマルチブランドを展開する外食企業で洋食業態に長く携わっていました。これまで飲食業界で20年近く仕事をしており、調理もサービスも経験し、マネージャーも務めてきました。

ベンジャミンステーキハウス_看板

──「BENJAMIN STEAK HOUSE」の強みと、それを日々の業務にどう落とし込んでいるか教えてください
当店の強みは、やはり「ニューヨーク、マンハッタン発」というブランド力にあります。
また料理においては、他社では熟成肉を輸入するケースが多い中、当店では一頭丸ごと仕入れて自社で熟成させています。日本人が熟成を行うため繊細な味わいにこだわっており、本店の味を忠実に再現していきながらも、「より良く」を追求しています。時には「本店よりも美味しい」と言われることもあるんですよ。

──日本人ならではの繊細さが活かされているんですね。支配人としては日常はどんな業務を行っていらっしゃるのでしょうか
主に管理業務が中心です。日常では、ご予約の受付から始まり、お迎えからお見送りまで。必要であれば、メニューについてシェフと連携しながら進め、お客様をお迎えする準備をします。
何かトラブルがあればケアしますし、接待など重要な場面では支配人としてご挨拶に伺います。

あとはワインの生産者や輸入業者などと食事を楽しみながらワインについて学べるメーカーズディナーなどの業務は、支配人の仕事ですね。そういった全ての手配や業務をオーガナイズしています。

ベンジャミンステーキハウス_料理写真

「BENJAMIN STEAK HOUSE」では、専用熟成庫で長期熟成されたUSDA認定のPRIME BEEFのみを使用。最高の状態でお客様へ提供しています。

──幅広い業務をこなしていらっしゃるんですね。仕事で特に意識していることはありますか
ブランド力を高め、お店の価値を向上させることを考えています。そして何より、お客様の満足度を上げること、期待値を超えることです。期待を超えるサービスを提供することで、お客様に「また来たい」と思っていただけると思っています。

──そのための取り組みなどあれば教えてください
例えば、PRするにしても、店舗の雰囲気や料理を、写真で見栄えだけ取り繕うことはできますが、それはお客様の期待を裏切ることになりかねません。

それよりも、ありのままの店とサービスを見ていただき、その上で期待値を超えていきたいと思っています。そのためには「お客様を深く知ること」が非常に重要です。

私はご予約時の情報収集、そして現場での観察力を大切にしています。例えば、食事をするにしても、ふだんの延長上の食事と、誕生日でご来店される場合、何十年ぶりに会うご友人との再会といった特別なシーンでご利用になる場合では、それぞれお客様の求めるものが違うと思います。

お客様のさまざまな目的に合わせてシーンを想像し、ゆっくり会話を楽しめるお席をご用意したり、ハレの日にふさわしい料理をご提案したり、ご要望にマッチするよう努めています。

「家族のように」お客様を迎え入れるホスピタリティ

──六本木店の雰囲気はいかがでしょうか
厨房は非常に 規律正しいです。「BENJAMIN STEAK HOUSE」という名を冠するお店ですから、細部にわたってきっちり管理されているのは素晴らしいと感じます。特に熟成肉の管理は最も重要な業務の一つですが、その点も徹底しています。

ホールに関しては、ウェルカムな雰囲気を大切にしていますね。ニューヨーク本店には『お客様を家族のようにおもてなしする』というコンセプトがあるので、当店でもその精神を受け継いでいます。接待利用のお客様も多いので、きちんとした対応をベースにしつつ、温かい雰囲気づくりを心がけています。

──支配人として仕事をする上でどのようなスキルが必要だと感じますか?
支配人として働く上で必要なスキルというより、管理職全般に言えることかもしれませんが、スタッフ個々のポテンシャルを見出だし、それを120%または200%引き出せる状況を作ってあげることが大事だと考えています。

レジで接客する岩城支配人

──スタッフ自身も気づいていない持ち味を見つけてもらえそうです。メンバーのモチベーションを高めるための工夫はされていますか
私も人間なので、失敗もたくさんします。しかし、得意不得意は誰もが持っているものです。失敗をした際も、咎めるのではなく、ここで働くことで、さらに上のスキルを身につけていってほしいと願って指導しています。そうしながら人の成長をサポートすることが、私たち管理職の正しい仕事なのだと思っています。

スタッフは「飲食が好き」「人と接することが好き」「料理が好き」などいろんな想いを持って入社しています。だからこそ、その想いにより添いながら、彼らそれぞれのポテンシャルを見つけ出していきたいと思っています。

変わらない「おもてなし」の心。接客は数値化できないから難しい

──今と昔でサービスの在り方は変わりましたか?
基本的なサービスの在り方は昔と変わっていないと感じます。
飲食、特にサービス業は、何が正しい接客なのか、可視化しにくい部分があります。簡単に言うと、スタートからゴールまでのプロセスを定量化するのが非常に難しいんです。サービス業におけるお客様の満足度は、私たちの場合、リピート率で測っていますが、やはり目に見えにくいものです。
今は口コミやSNSの反応などで測ることもありますが、反応を見るツールが変わっただけという認識です。

──たしかに正しい接客の在り方を数値化するのは難しいですね。この店ならではと思うサービスなどはあるのでしょうか。
例えば、メニューは、アメリカ方式で写真を載せていません。だから、お客様に料理については会話を通して伝えます。あえてそうしているんです。

時代の流れとしては、「見てすぐに分かり、早くサービスを提供すること」かもしれませんが、当店はお客様にいかに寛いでいただき、気持ちよく過ごしていただくかを重視しています。そこに価値を見出すお店にしたいと思っています。

ドリンクにフルーツをそえる様子

──期待値が上がりそうですね。
でも画像がない分、期待値が上がりすぎて、時には誤解を招いてしまうこともあります。しかしそれも含めて接客だと考えています。完璧が正しい接客だとは1ミリも思っていません。その中にストーリーがあることが大切だと思っています。

お客様のご対応は、ご来店からお帰りまで、全て私を含めてサービススタッフがつきます。特に、お帰りの際のご挨拶は必ずさせていただくんです。なぜなら、お帰り際にお客様の満足度が全て分かるからです。

良い接客をしたかどうかは、お客様が帰りに私たちに敬意を払ってくださるかどうかで判断できたりもします。数値化できないものを肌で感じながら、丁寧な接客を心がけることが大切なのかなと思います。

会社の魅力は働きやすさ。ライフステージが変わっても女性が管理職として成長できる環境

──オーイズミフーズで働くことの魅力はなんですか?
人を大切にしてくれるところです。正直、もっと給料をもらえる会社は探せばあるかもしれません(笑)。しかし、ここまで人を大切にしてくれる会社はなかなかないと思っています。

社長は一人の社員の意見や提案にも、きちんと耳を傾けてくれるので驚きます。一般社員にとってもトップとの距離が非常に近いと感じますね。店舗に社長が来店することもよくあり、お話する機会もあります。
あとは飲食業界で、女性が家庭を持ちながら管理職として働きやすい会社だと思いますね。

ベンジャミンステーキハウス_内観

店内の壁には、「BENJAMIN STEAK HOUSE」を訪れたセレブの写真でいっぱいです

──これまでのキャリアの中で、特に影響を受けた人はいますか?
私、いろいろな人から影響を受けやすいんですよ(笑)。その中でも、自分の軸を持っている人は格好良いなと思います。小さいことでも、素晴らしいなと感じることもしょっちゅうです。例えば当店のアルバイトスタッフが、単純な作業を丁寧に集中して行っているのを見ると、私自身も見習わねばと影響を受けます。

──今後の目標や挑戦したいことはありますか?
目標は、ハード面ではお店を大きくしていくこと。「BENJAMIN STEAK HOUSE」の目標は6店舗展開です。ソフト面では、人を育てていくことです。スタッフが大きく成長していることを実感した時は何より嬉しいですし、独立して自分のお店を開くために旅立っていく方を見送る瞬間は、寂しいけれどそれも本当に嬉しいですね。

私は人が喜ぶ姿を見るのが好きなので、だからこそサービス業を長く続けているのかもしれません。

カウンター越しに接客する岩城支配人

編集後記

岩城さんの言葉からは、支配人としてのお客様への深い洞察力と、最高の体験を提供することへの想いが伝わってきました。「完璧な接客」よりも「ストーリーのある接客」を重視するという言葉は、まさに「BENJAMIN STEAK HOUSE」が提供する唯一無二の価値を表しているようでした。
休日は、思いっきり家族と過ごしてリフレッシュしているという岩城さん。人を大切にする企業文化の中で、これからも次世代の育成に力を注いで、「BENJAMIN STEAK HOUSE」をますます盛り立ててください。
お忙しい中、取材にご対応いただき、ありがとうございました。

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