「食」と「栄養」のスペシャリストとして幅広い人々の健康をサポートする仕事

栄養士・管理栄養士は、「食」を通じて健康をサポートする専門家です。
栄養バランスのとれた献立を考えたり、人々が健康的な食生活を楽しめるよう乳児期から高齢期までのライフステージに応じた食事指導や食育活動などを行います。字のごとく「栄養」のスペシャリストといえるでしょう。

栄養士・管理栄養士の活躍フィールドは拡大中!

では、栄養のプロとして、栄養士・管理栄養士は具体的にどんな分野で、どんな仕事をするのでしょうか。栄養士養成施設である辻学園栄養専門学校の広報担当主任・藤本早保佳さんにお話しを伺いました。

こちらが、辻学園栄養専門学校。
開校33年目を迎え、今までに4000人以上の栄養士が巣立っていったそうです!

藤本さんに、卒業生が栄養士・管理栄養士として活躍している主な分野を教えていただきました。

①「病院」などで栄養面から病気の治療をサポート

「メディカル栄養」と呼ばれている分野。病院をはじめ、医療現場で「チーム医療」の一員として、医師や看護師と連携して患者さんの病状や栄養状態に合わせた食事を提供。退院後の食生活について指導を行うことも。近年、薬局の窓口で薬剤師と連携して栄養指導を行うニーズも増えてきています。

②「福祉施設・介護施設」で献立作成や調理を行う

高齢者向け施設や児童福祉施設などで、利用者の年齢に応じた食事と栄養をサポート。楽しく食べてもらうため、ひな祭りやクリスマスなどの季節行事を献立に反映したり、各地の郷土料理を研究して取り入れるなど、クリエイティブな発想力と遊び心を生かせる楽しさも。

③「保育園や学校」で子ども・保護者へ食育活動

栄養バランスを考えた学校給食やおやつの献立作成はもちろん、安全に残さずしっかり食べてもらえるよう、食物アレルギーや彩り、盛り付けにも配慮。子どもが食材や食べることに興味を持ってくれるよう、児童・生徒への「食育」授業を行うことも。2005年に栄養教諭の教員資格も誕生し、業務の専門性が高まっています。

④「スポーツ」「美容」の業界で食事指導

近年、注目度が高まっている分野の一つ。体力づくりに効果的な栄養の摂り方など、アスリートを食事管理で支えます。また、ダイエットやアンチエイジングを栄養管理で健康的にケアするため、フィットネスクラブやエステサロンで栄養士資格を持ったインストラクターやエステティシャンが活躍するケースも増えています。

⑤その他にも多彩な「食の現場」で活躍

企業の社員食堂などの献立を提供する「給食事業所」での活躍、「食品メーカー」で健康食品やサプリメント開発、ホテルやレストランなどの「外食産業」でシェフと協働してメニュー開発、食品や料理をより魅力的にマネジメントする「フードコーディネター」など。幅広い分野で健康を支えています。

藤本さんによれば、「少子高齢化や健康志向が進むなか、食物アレルギーへの対応や生活習慣病の予防など、“食”への関心は高まる一方。ライフスタイルや食生活の多様化も影響し、食事を通じて健康を支える栄養士・管理栄養士は多方面で必要とされています」とのこと。

そうしたニーズを先読みし、辻学園栄養専門学校では、2017年度から専門コースを増設。「こども栄養」「フードサービスマネジメント」「メディカル栄養」「ビューティー栄養」「スポーツ栄養」の5つのコースから将来活躍したい分野に合わせ、より専門的に学べる体制を整えたそうです。

栄養士の活躍フィールドは、今後ますます広がりそうですね。

現役学生はもちろん、社会人になってから栄養士を目指す人も増えている!

では、どんな人が栄養士・管理栄養士に向いているのでしょうか。

  • 食べることが好き
  • 料理や食材に興味がある
  • 食べている人の幸せそうな笑顔を見るのが好き

食に関心があるほとんどの人が当てはまりそうですね。

藤本さんは「自己流ダイエットで体調を崩したことや、自分や家族が病気で食べられなくなった経験から栄養の重要性を痛感した、といった人が栄養士を目指すケースも結構あるんですよ」と話します。

調理師や介護福祉士の資格を持っている人が職種の幅を広げる目的や、事務や販売などの異業種から転職スキルを身につけるため、といった社会人経験者が栄養士や管理栄養士の資格取得を目指すケースも増えているそうです。

最近は、社会人を対象とした特別入試の実施、社会人クラスの開設、成績優秀な学生に授業料の減免を行う特待生制度を設けている学校も。雇用保険の教育訓練給付制度を受けられる認定校もあります(辻学園栄養専門学校も認定校の一つで、さらに2018年春から社会人クラスが新たに誕生するそうです)。

また、幅広い年代の人と接する専門職となるため、「相手を思いやる優しい気持ち」「柔軟なコミュニケーション能力」といった人間性も求められます。そういう意味でも社会人経験は大きなアドバンテージと言えそうですね。

ちなみに、栄養士=料理上手であり、化学・生物などの理数系が得意でないと難しいのでは・・・と思ってしまいますが、「栄養学」「食品学」「公衆衛生学」「運動生理学」「栄養教育論」といった専門分野科目を学ぶことで専門力を身につけてゆきます。


(写真提供:辻学園栄養専門学校)

また、調理実習のカリキュラムも豊富で、辻学園栄養専門学校では2年間で370品目もの献立をマスターできるそうです。「入学当初は包丁を使いこなせなかった学生も結構いますよ(笑)。ですが、料理を手際よく作れるようになるだけでなく、カロリーや塩分計算、糖尿病などの持病やアレルギーがある方向けの献立など対象者に合った食事が提供できるように。栄養って本当に奥深いんです」と藤本さん。


(写真提供:辻学園栄養専門学校)

参考までに、辻学園栄養専門学校で実際に学生たちが作ったヘルシーランチの献立例がこちら。栄養バランスはもちろん、食材の仕入れ、原価計算、100人規模の大量調理方法なども学ぶそうです。


(写真提供:辻学園栄養専門学校)

ところで、「栄養士」と「管理栄養士」の違いって?

最後に、「栄養士」と「管理栄養士」を混同している人がいるかも知れませんが、実は異なる資格です。どちらも国家資格ですが、免許の発行者が「栄養士」は都道府県知事、「管理栄養士」は厚生労働大臣と異なります。

「栄養士」のキャリアアップ資格が「管理栄養士」と考えると分かりやすいかも知れません。乳幼児から高齢者まで幅広い年代の健康を食事・栄養面でサポートする「栄養士」の役割に加えて、「管理栄養士」は病気やケガに悩む一人一人と深く関わり、より専門的でパーソナルな栄養指導を行えるようになります。

また、資格取得のプロセスも「栄養士」と「管理栄養士」では異なります。
「栄養士」は専門学校・短大などの栄養士養成校で2年以上学んで専門課程を習得・卒業すれば資格を取得できます(とはいえ、栄養士資格の必須科目は50単位に及びます)。

一方、「管理栄養士」は国家試験に合格しなければ資格を取得できません。受験資格もあり、管理栄養士養成校で4年以上学んで専門課程を習得・卒業するか、「栄養士」として3年以上の実務経験を積まなければチャレンジできません。
2017年3月に実際された第31回管理栄養士国家資格試験の合格率は54.6%(厚生労働省発表)。なかなかの難関資格であるといえます。

栄養士・管理栄養士を目指したい人は養成学校のオープンキャンパスへGO

「食」と「栄養」のプロとして専門性が高く、活躍の場が今後ますます広がりそうな「栄養士」「管理栄養士」。食に興味がある人は、選択肢の一つとしてチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

今回、取材協力いただいた辻学園栄養専門学校をはじめ、関西にある複数の養成施設のオープンキャンパスへリサーチを兼ねて足を運びました。栄養士養成施設(専門学校・短期大学)は転職スキルとして活かせる実践的なカリキュラムや社会人向けのバックアップ体制が充実している印象で、さらに複数の四年制大学では管理栄養士養成のための新学科が次々と新設予定で、注目度の高さを伺い知ることができました。

毎年、春から秋にかけて施設見学や体験授業が受けられるオープンキャンパスを行なっている栄養士養成施設・管理栄養士養成施設も多く、特製ランチやスイーツを試食できる場合も。学科の詳細や募集要項、奨学金や特待生制度については養成施設ごとに異なり、オープンキャンパスの開催時期も年度ごとに変わるため、最新情報は「栄養士」「管理栄養士」「オープンキャンパス」などのキーワードでインターネット検索してみてくださいね。

■取材協力:学校法人 三幸学園グループ 辻学園栄養専門学校
http://www.sanko.ac.jp/osaka-eiyo/
所在地:大阪府大阪市北区西天満1-3-17
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