「食を通じて人を幸せにする」という経営ビジョンのもと、1972年の創業から現在まで、多くの歴史を創り上げてきたモスバーガーブランド。全国約200店舗の「モスバーガー」を運営する株式会社モスストアカンパニーでは、誰もが安心して勤務スタートできるように、充実の研修制度があります。それが、同ブランドならではの「ベーシック研修」。なんと12日間にわたって行われるのだとか。
その仕組みも一般的な流れとは異なり、いきなり座学などの本部研修から開始するのではなく、入社から約2ヶ月間は実店舗での勤務からスタートします。
その後、東京・大崎にある本社研修専門施設にて12日間のベーシック研修に移行。
同社でも以前は最初に座学などを行ってから実店舗勤務という流れで行っていたそうですが、研修の前に実店舗で実務を経験してからの方が理解度が深まるという理由で、店舗勤務から始めていただいているそうです。
もちろん、宿泊費や交通費は全額企業負担で、安心して参加できるようサポート体制が整っています。
今回はその研修の内容や、受講生のインタビューなどを中心にご紹介いたします。
まずは一挙に動画でご紹介!
今回潜入した研修について、ダイジェスト動画でご覧いただけます。モスバーガーの研修の内容や詳細を深く知ることのできる良い機会ですので、ぜひご覧ください!
モスバーガーが行うベーシック研修とは…?
ベーシック研修とは、親会社である「株式会社モスフードサービス」の教育専門部署が行う、約12日間の宿泊研修です。
大まかな研修概要としては以下の通り。
今回は、上記概要でいう「STEP3・総合実習」に潜入してきました!STEP1、2で学んできた実務研修や座学の内容全てを活かせるように、実際に自分たちでオープン準備をし、お客様のお迎えから注文取り、製造、提供まで、総合的なオペレーションを学べる研修内容となっています。
学んだことを一挙に活かせるカリキュラム「総合オペレーション」に潜入
講師の人数は研修に参加するスタッフの人数によって異なり、例えば10人の受講者がいれば2名の研修講師で対応するなど、1人1人に目を配ることのできる体制が整えられています。また実際に研修を実施する場所も、導線や機材の配置などをできる限り実店舗に似せて作った研修専用の施設です。ここで学んだことはそのまま配属店舗でも活かせるように考えられています。
研修に参加する受講者の経歴も様々で、飲食業界が初めての未経験者から経験者まで幅広い層が参加。未経験者にとっては経験者に教えを乞うことでより詳細に内容を把握でき、経験者にとっては指導する練習になったりと、実際の店舗運営のイメージに近くなることで、自然と考える力やチームワーク体制が出来上がっていきます。
今回潜入した「総合オペレーション」は、今まで学んだ個別の研修内容をすべて発揮できるいわゆる最終実践の場。実際にどんな流れで研修を行っているのかご紹介いたします!
▼オープン準備
まずは通常の店舗と同じように、運営するためのオープン準備からスタート。受講者のポジション(役割)はある程度決まっていますが、仕込みの段取りであったり、他の受講者への柔軟なヘルプなどは、その場で協力&判断して動かなければなりません。
もちろんすべてを自分で判断する必要はなく、どうすればよいかわからない場合はすぐに講師に確認を取ることもできます。
黙々と作業するのではなく、声を掛け合いながら実施しているのがとても印象的でした。
オープン準備の内容は、その後の運営や商品提供に密接にかかわってくる業務。研修での失敗は「経験値」として積み重なっていきます。
▼総合オペレーション
オープン準備が終わったら、次は実際にお客様をお迎えし、注文を取り、製造から提供までの一連の流れを確認する総合オペレーション研修へ移行。受講者をお客様側とお店側のチームとして2つに分け、実際の運営をシミュレーションします。ほとんど実践とおなじ状況で研修を行うことで、配属店舗に戻った時により力を発揮できるような研修内容です。
お客様側はあらかじめ決められているメニュー構成をもとに注文。オーダーする商品は、テイクアウトや店内飲食などのバリエーションも細かく分かれており、通常営業と変わらない対応をします。
また、ただ注文するのではなく、その際にお店側の対応を見たり、キッチンの観察をしたり、提供時間を図ったりなど、イチ顧客目線から気づいたことや素晴らしかった点などのメモを取ることで、お店側に共有できるようにします。
お店側は、キャッシャー、調理、ドリンクなど、それぞれに割り振られたポジションを担当。
実際にお店を運営する時と同じように、受講者同士で協力して、お客様への提供まで全体のオペレーションを実行していきます。実際のお金のやり取りはありませんが、そのほかの工程、商品の調理は実務通りに行うので、店舗での運営となにも遜色はありません。
この流れを、全員が各ポジションすべてを担当するまでローテーションで行います。お店側はもちろん、お客様目線としての気づきも得られ、また何度も復習できる機会がしっかりと得られます。
実際に研修を受けたスタッフに直接インタビュー!
以下の質問を実際に研修を受けている受講者にお伺いしました!
①研修は受けてどうでしたか
②研修を受ける前と現在で、何かモスブランドのイメージは変わりましたか
③これまで受けた研修の中で特に役立った、面白かった内容は何ですか。
④今回の研修成果を今後どう活かしていきたいですか
<新井さん/40歳>
特に身についたことでいえば、モスの経営理念にあるような人間貢献、社会貢献といった部分の具体性です。講師から直接わかりやすく伺うことができたので、自分の中にも落とし込むことができました。
また研修2日目の中村社長の講話では、ブランドの生い立ちであったり創業者である櫻田さんの逸話の数々であったり、貴重なお話も聞けました。
もともと入社前に抱いていた社内の優しい雰囲気はやはりその通りでしたし、今回の研修でさまざまな講師からお話を伺いましたが、やはりブレはないんだな、と改めて感じることができました。
今後は私自身が店舗配属された際、そこで働くキャストへ同じような教育やマネジメントができるように、学んだことを発揮したいです。
<下山さん/43歳>
どういった研修をするのかは、前職の経験もありますし、ある程度予想できていると自分では思っていました。ですが実際に研修を受けてみて、ここまで自分で考えて行動する研修であることには、正直驚かされました。店舗に配属された後でも活かされるように、実際に行動として繋がっていくように、すごく考えぬいた内容だと感じました。いい意味でガラッとイメージが更新された気がします(笑)。
研修の中で一番面白かったのは「朝課」という内容です。研修期間中、1日の最初にリーダーを受講者の中から決めて、そのリーダーに1日の進行をすべて任せるというものなんですが、いかに受講者たちを上手くまとめられるかの判断をゆだねられます。マネジメントや時間配分など、これもすべて店舗での実務に繋がっていくんだな、と勉強になったと同時にすごく面白かったです。
この研修で学ばせていただいた理念やモスブランドのこだわりについては、改めて店舗でも正しく伝えていきたいと思います。特に朝課も含め「自主的に動く」というところは私自身もすごく大事にしようと感じたので、店舗に配属された後もお店をチームとしてまとめていきたいです。
エデュケーター(研修講師)を担当する内藤さんについてのご紹介
プロフィール内藤 総一(ないとう そういち)さん
/53歳・入社28年目親会社である株式会社モスフードサービスの研修担当として、トータル約8年間勤務。営業部のSVとして8年ほど勤務していた経験も持つ。自身が新入社員の時に出会った担当エデュケーターを見て「私もこの人のようになりたい」と教育部に異動。現在は研修担当としてモスの商いの原点を正しく伝えている。
内藤さんが研修において一番重要視しているのは、モスの商いの原点でもある「経営理念の確認と価値観の共有」をすること。研修と聞くと、受講生に寄り添って行動1つ1つを教えていくものとイメージされますが、内藤さんは常に全体を優しく俯瞰していて、受講者より質問が来るまではその動向を見守るというスタイルでした。
この理由についてお伺いすると、以下とのこと。
「すべての研修に対する私たちの意図と方針についてですが、研修には研修でしかできないことがあります。そんな中だからこそ、より自分で発言し行動するため、自主性を磨くための行動を促しています。すべてを教えられた通りにやるのではなく、各個人で感じた自分自身の”気づき”を大切にしてもらいたいんです。
研修期間中は毎日受講生に振り返りシートを記入していただいているので、その1人1人の目標や課題が達成されているか確かめながらフィードバック。それぞれの目標に対して、日々の努力でその課題をどれだけ解決できているか見守りながら、コミュニケーションをとるようにしています。」
研修内容は社会背景、トレンド、外部研修などの情報をもとに常にブラッシュアップしているそうです。
会社を担う人材育成に携わっていること自体に講師としてのやりがいを感じていて、最終的に受講者には「社会に貢献し、会社を支え、研修で学んでもらったことを活かしながら後輩を育てられる人材に成長していただきたい。」とコメントもいただきました。
研修の最後にはそれまでの研修内容を細かくフィードバックしていただけるようなので、学んだ内容はすぐに実店舗で発揮できそうです。
まとめ
今回は株式会社モスストアカンパニーに入社した後に行われる、研修の一部をご紹介しました。まず本社の研修施設を訪れると、ある区画が丸ごと実際のお店のようになっていて、驚きを隠せませんでした。
各スタッフそれぞれが講師に付き添われているのではなく、自主性を発揮しながらお互いにサポート&協力していたので、そのスムーズさや柔軟性に正直、受講者の中に講師がいるのではないかと疑ったほど。潜入日はまだ研修期間の途中ということでしたが、これまでの成果がカタチになってきていることから、内容の濃い研修なのだと感じられました。
内藤さんが仰っていた「経営理念の確認と価値観の共有」。研修に参加したスタッフそれぞれがこの想いを自分のことのように吸収できているからこそ、株式会社モスストアカンパニーの現場には、チームワークや笑顔が溢れているのだと思います。
同社なら不安をできる限り払しょくしながら、活躍できそうですね。
今回の記事で同社に興味を持たれた方は、ぜひ求人情報も覗いてみてはいかがでしょうか。