
株式会社カトープレジャーグループ(以下、KPG)は、「日本のレジャーをもっと楽しく!」をテーマに、ホテル、リゾート、レストラン、エンターテインメント、リバークルーズなど多岐にわたる事業を展開する企業です。
今回、KPGの飲食事業を受け持つ事業部「KPG Wellness East(株式会社 ケー・エキスプレス)」の専務であり、グループCOOを務める中見川佳秀さんにお話を伺いました。
現在、主力ブランドであるうどん専門店「つるとんたん」は、今や国内だけでなく、海を越え、ニューヨーク、ホノルルといった海外にも展開。日本と世界をつなげる“うどんブランド”として認知されています。
またミシュラン星獲得をめざす高級フレンチや、イタリアン、スパニッシュなど幅広いジャンルの飲食店を運営しています。
何ごとも「人」の魅力があってこそ。成長の機会は会社がつくる
──これまでさまざまな店舗を手がけていらっしゃいます。今や、経営者としてリードする立場ですが、若手の頃を振り返り、最も印象に残っている仕事は何ですか?
東京メトロ「永田町駅」の駅ナカの商業施設「Echika fit 永田町」の立ち上げですね。フードホール開設のプロジェクトリーダーを29歳で初めて任されました。同期と一緒に試行錯誤した記憶があります。日本にあるフードコートをたくさん巡りましたよ。軌道にのるまで約3年かかりましたね。
ここはリピーターの方も多いので、毎日来館しても食べ飽きないメニュー構成など、商品開発には余念なく取り組みました。
──その後も、管轄エリアでの増益をキープし続けた経営腕力が見込まれて、今があると思うのですが、その理由は何でしょうか?
基本的には人でございまして、採用の時も含めて、全て「人」だと思っているんです。「人」にお客様がついてくださることもありますし。
しかし昨今は、人口減の人手不足です。それでも入社していただいた方々にはしっかりと会社の考えと我々の考えをお伝えさせていただき、入社前研修はじめ教育に力を入れています。
若手の研修は、KPG代表の加藤が自ら講義する機会もあるほか、各部門、部署のリーダーや外部講師の方をお招きすることもあります。スタッフが日々成長できるような環境を会社が作っていることは大きいと思います。
<プロフィール>
中見川佳秀(なかみがわよしひで)さん
1983年栃木県生まれ。カトープレジャーグループ 専務取締役兼グループCOO
幼少期から大学まで野球に打ち込み、甲子園出場を経験。横浜商科大学商学部卒業後、2006年、新卒で同社に入社。入社後「つるとんたん」「Echika fit 永田町」ほか多数の開業に携わり責任者として従事。部長を経て2019年に取締役事業本部長に就任。2021年7月よりKPG Wellness East 取締役社長兼COOに就任。
「楽しい仕事」とは自ら率先してやる仕事。成功すれば楽しさは倍増する
──今、どのような vision を描いていますか?
KPGの2025年度のスローガンは「NEVER COMPROMISE No.1 KPGへ こだわりを極め 勝利を掴む」です。商品や店舗の外観、内装だけでなく、衛生への意識、ホスピタリティーマインド、細部にまでこだわって、お客様に隙のない店舗、心を動かす店舗を作りたいと思っております。
──年間600万人以上のご利用者・お客様がいることも頷けます
数ある、とてつもない数の飲食店の中から、当社の運営店を選んでいただくには、お客様の感動を超えたところにあると思っています。第一印象は0.6秒で決まるともいわれており、お客様をお迎えし、お見送りまでのこちらの姿勢が大事です。
少し話はそれますが、当社では全員スーツ出勤なんですよ。例えば電車の優先座席にね、どかっと座ってるようではね。
社章も付けて出勤し、グループの一員として責任のある行動をお願いしています。
──「日本のレジャーをもっと楽しく!」というKPGが掲げるテーマに込める想いをお聞かせください。
「楽しい仕事」というのは、まず自分から率先してやる仕事だと思っています。だからチャレンジの機会は豊富に。そして成功して成長することが「さらに楽しい」につながると思っていますので、我々はどんどんボールを投げてですね。どんどんチャレンジをしていただいて。私たちが成功するように導くこと。それが一番だと考えています。
──今後の事業展開や新たな挑戦について、どのような構想をお持ちですか?
2025年度は、相次いでホテルをオープンします。
夏は、軽井沢に「GLAMDAY STYLE HOTEL&RESORT KYU-KARUIZAWA」を。
また全国に展開するスモールラグジュアリーリゾート「ふふ」シリーズの新館も予定しており、冬に「ふふ東京 銀座」(東京都中央区)を。2026年春までに「ふふ 城ヶ島 海風のしらべ」(神奈川県三浦半島)を開業する予定で進めています。
「ふふ」シリーズは、ミシュランガイドにも認定された宿泊施設で「ミシュランキー」獲得ホテルです(※)。
※ミシュランガイドにおいて、レストランの「星」に変わり、宿泊施設を「鍵マーク」で評価

2025年夏に軽井沢に誕生する
「GLAMDAY STYLE HOTEL&RESORT KYU-KARUIZAWA」。
好きなことを仕事にできれば幸せ!モチベーションはあがる
──仕事におけるモチベーションの源泉は何ですか?
仕事のモチベーションは、私が、飲食店、ホテル、エンターテインメント、リゾートが非常に好きなんですよ。旅行も好きですし、そんなすべてが仕事に活きています。いろんなところに旅をして、いろんなことを学ぶ。そしていろんな土地の美味しいものを食べて、そして、活かせるところは活かしていきます。
あとはやっぱり運動してるとモチベーションは上がります。ハーフマラソンやフルマラソンにも参加していますが、適度な運動は、仕事にも非常に影響するのではないかと個人的には思っています。
──ご自身のリーダーシップスタイルをどのように分析されますか?
どうなんでしょう。「やりきる」ことが自分では好きなんですが。自分のことは分析しづらいものですね(笑)。ただその店舗が、数字達成や年間予算などを達成するためにどうするのかは、スタッフと一緒に考えるようにしていますね。そうしたうえで、必ず達成するっていうのを毎日意識しています。
──数字が得意でないメンバーと向き合うときは?
数字に対して苦手な方はいると思います。しかし正直、マネージメントは、数字を把握できなければ厳しいんですよ。人件費、テナント賃料、材料・備品費用。そうした毎月の数字はやっぱり頭に入っているぐらいでないと、なかなかマネージメントは難しいと日々お伝えをします。達成するには必ず必要なので。
しかし、数値管理はしたくない、苦手だという方がいても、それはそれで現場で頑張っていただければ良いと考えています。働き方はその人それぞれ。マネージメント向きの方もいれば、現場向きの方もいらっしゃいます。
その方に合った場所で輝いていただければと思います。
──若手社員に向けて、キャリア形成や成長のためのアドバイスをお願いします
KPGでは、3年目で店長を務める方も多数いらっしゃいます。
会社としては若手に「チャレンジをさせてあげたい」「実績を積むチャンスをあげたい」と思っています。
ですからアドバイスするなら、「せっかく来たチャンスをしっかり掴んでほしい」ということですね。何事もまずポジティブに捉えて、ダメならダメで会社もしっかりとフォローし、できるようにサポートします。
まずは前向きな姿勢で、どんどんチャレンジをして失敗もする。そんな経験の積み重ねが重要なのかなと思っております。だから失敗しても全然いいんですよ(笑)。
編集後記
次々に楽しいお仕事を作ってきた株式会社カトープレジャーグループ。その要は「人」とのこと。素人から玄人まで成長できる環境が整っているところが1番の強みだと中見川さんは話します。「人間って成長して後悔する人はいないと思うので」という言葉が印象的でした。
中見川さんご自身は、学生時代は野球に打ち込んだり、今もフルマラソンに参加したりとアクティブな方です。何事もまずポジティブに捉えてトライしようとの言葉。
「世界一楽しい仕事をしよう」を掲げる会社というのも納得の取材でした。