
『どうとんぼり神座』は、従来の「ラーメン店」という既成概念を超えたカタチである、「ラーメンレストラン」への変化を掲げて、ラーメン店というジャンルの地位向上を目指しているブランドです。
創業以来、フレンチの技法を取り入れたラーメンにこだわり、「一度食べたら病みつきになる味」「どこか懐かしい味」でありながら、“他の何にも似ていない”醤油ラーメンを追求し続けています。
当面の目標として700店舗展開・売上高1,000億円を目指している成長企業では、働くスタッフが成長していける社内環境も整えています。成長企業でどのような働きをして、どのように成長をしていくことができきるのか。異業態から入社し、入社後9カ月で新店のオープニング店長を任された23歳、魚澤 響希さんにお話お伺いしました。
▼プロフィール
魚澤 響希(うおざわ ひびき)さん
23歳。前職は結婚式場で、フレンチ系のウェディング料理を手がける。
キャリアアップを望んでいたが環境に恵まれず、転職を決意。自分の経験値でどれだけ早いキャリアアップができるか、どこまで自分のチカラが試せるか、そういう舞台を探していたところ、1カ月に1回の昇格チャンスがあるという『どうとんぼり神座』に魅力を感じ入社。
現在、入社2年4カ月。9カ月目には新店のオープニング店長を任され、その後マネージャーも兼務。現在は「どうとんぼり神座 新宿 京王モール店」にて店長兼マネージャーとして活躍中。
今の経験値で、どれだけ昇級・昇格ができるか試したかった
──異業種である神座に転職をしようと思った動機は?
結婚式場で主にフレンチ系のウェディング調理をしていたのですが、そこで昇格するには時間がかかってしまうようでして、今、自分が持っている経験値で早くキャリアアップがしたい、自分のチカラをどこまで試せるか、という想いがありました。新しい舞台でチャレンジしてみたいと、転職を考えました。
どうとんぼり神座に決めたのは、1カ月に1回という昇格制度に魅力を感じたからです。
──入社後はどんなことから始めましたか?
基本的なキッチン業務からスタートしました。餃子場で餃子を焼いたり、ライスの盛付をしたり、丼物や揚げ物をつくるといったサイドメニューの部分から携わり、それから徐々に、ホール業務やその他一般的な店舗業務をやっていきました。
当社にはスープソムリエ制度というものがあるので、入社したての頃にスープに関わるということはなく、最初はスープ以外の基本的な業務から取り組んでいきます。
──魚澤さんにとって大変だったことや苦労したことを教えてください。
入社した理由は、できるだけ早い段階での昇格でした。神座ではチーフの色によって職位が違うんですが、新人カラーである青色を半年間つけていたので少し壁を感じていた部分がありました。
自分はもっとできるのにできないというともどかしさもありましたが、スープソムリエを取得するための期間も必要でした。社内にはスープソムリエ制度というのがあり、昇格基準とは別のものです。僕は昇格より先にスープソムリエ取得を目指すことを優先したので苦労しましたね。
──やりやすさ、働きやすさはありましたか?
職場での働きやすさは感じていました。僕は入社後、一番最初の勤務先が恵比寿店だったんです。同じ時期に入社した人が多かったので、今関西でエリアマネージャーをしている人をトップに、みんなで切磋琢磨しながらガムシャラについていくという環境が、とてもやりやすかった。
恵比寿店はかなり忙しい店舗でしたが、僕的には忙しいほうが好きですし、自分たちで技を磨いていくというところでやりがいはありました。
同期が4~5人いたということもありますが、みんなが自分の意見を言える。それが『神座』のカラーでもあると思います。上に立つ立場の人たちは、物凄く物腰の柔らかい考え方をする人が多いので、入社したてのころから気遣う必要もなく、自分の意見を言える環境があるというのは凄いと思いました。
そういったところもあってか、今から1年半ほど前に出店ラッシュのようなものがあって、ポンポンポンと数店が開店したタイミングで、僕を含むグリーンのチーフを巻く時間帯責任者の同期メンバーが、各々店長に就任しました。ほぼ全員が今関東で店長をやっています。今でもコミュニケーションがあり、とてもいい仲間に恵まれました。
──オープニング店長として配属されたんですか?
そうです、1年半ほど前の出店ラッシュの際、2021年の3月末に「京王モール店」もできて、オープニング店長を任されました。オープン準備から手がけています。
イチからお店をつくっていくというのは凄くやりがいがありました。
新規オープンなのでアルバイトスタッフの採用も行い、「神座」を知らないという人たちをイチから教えていくという、大変な反面、やりがいは大きかったです。
──ここまでのモチベーションはどんなところにあったのでしょうか?
この「京王モール店」の店長を任せてもらったのが、入社9カ月目でした。
店長になるまでは、自分のチカラを試したいという入社当時の目標があったので、自分のチカラでどこまで昇っていけるかというチャレンジ精神みたいなものがありましたね。大変なことがあっても、もう少し頑張ればまた先が待っているというモチベーションでやってこれました。
店長就任後の今、今度は自分の成長というよりは周りのスタッフの成長という部分に目標が変わってきているので、まだまだこの先、新たなモチベーションが持てるようになってくるかなと楽しみにしています。
店長になって変わった、お店の見え方と頑張り方のモチベーション
──店長になってからの人間関係はいかがでしょうか?
僕は職場の環境づくりとして、基本的にスタッフに楽しく働てもらうことを大事にしています。接客業なのでお客様第一というのはもちろんですが、従業員がイキイキ楽しく仕事ができる環境であれば、それはお客様にも伝わると思います。楽しくなさそうに働いているお店の雰囲気ってとても暗いので。なのでまずはスタッフに心から楽しんでもらえる、そんなお店づくりに取り組んでいます。
僕自身、基本的に明るい性格なのかなとは思っていて、そういった店長の色というのは必ずお店に出るものだと思っています。
「京王モール店」も凄く忙しい店舗ですし、営業中に気軽に会話もできる状態ではありませんが、忙しい中でも和らげるような言葉を発するようにしています。場を和ませられるようなことを挟んだりするだけでも、スタッフのモチベーション維持のために支えになればと思って取り組んでいます。
──スタッフのモチベーション維持やお店の運営など、頑張った分の還元はありますか?
僕は今、店長兼マネージャーとして人を育てるというポジションなので、メンバーの成長が自分の喜びです。育成したスタッフがどんどん昇格していって、責任感持って働くようになって、ポジションが上がっていく。それが僕への一番の還元です。店長までは自分の頑張り次第でステップアップができ、ポジションアップ(昇格)という還元もありましたが、今自分の仕事の成果は、スタッフの成長具合が表してくれています。
──昇給の評価はどのような仕組みですか?
もちろん、お店の売上げは僕自身の評価につながってきます。ただ、そこにはしっかりと人事制度が組まれていて、役職ごとに評価基準のウエイトが変わります。業績評価となる店舗の売上げ、人件費、原価率、…といった店舗に関するウエイトは基本的に重くありません。
忙しい店舗に配属しているということで評価が高くなるというような、ばらつきが起きないようになっています。
ですので、主な評価はお店の売上げではなく、基本として個人の能力と、あと当社の独特な制度としてプロセス評価です。それは個人で3カ月の目標を設定し達成率を決めます。そして評価がSからABCDまであって、その基準も自分で設定。そういった、3カ月間で設定したプロセスを達成するために取り組んでいく、というものもありますので、一概に会社が決めたものだけではない評価基準ができています。
──自身で目標や評価の基準を設定し、それに向かって取り組んでいくということですね?
はい、それは僕のなかで凄くいいことかなと思っています。一律の評価基準では個人の能力差でどうしてもばらつきが出てしまいます。致し方ないことだとも思いますが、各個人で伸ばせるポイントというのは違っていて、持っているものも違うので、自分の短所を克服していくのか、長所を伸ばしていくのかを個人で決めていける、それがそのまま自分の業績評価として関わってくるのが、凄く良いと思っています。
──評価によってチーフの色にも関わってくるのですか?
スタッフが首に巻いているチーフの色の違いに関しては、実はそこの評価とは別軸になっています。別途、育成カルテというものがあって、その育成カルテの基準を達成していくことで色が変わっていきます。こちらは1カ月に1回単位で行われる昇格の部分になります。
1店舗に所属している間で、いちスタッフとして変われる色は緑色まで。青、黄、緑の順で変わっていって、緑までくれば時間帯責任者となり、そこまではどんなスピードでも上がれますし、最速では2カ月で上がれる可能性もあります。その次のオレンジになると店長なので、1店舗にひとりまでしか存在せず、一概にスグに上がれるとは言えません。ですので、店舗が増えたときに、スグに上がれるよう整えておくことが必要です。そして、オレンジよりもひとつ上の色があります。それが、赤です。
赤は、スープソムリエを取得していて、当社が一番大事にしているスープの味にこだわりをもち、その『味』と『伝統』をしっかりと引継いでいける、風土を守っていける人が、赤を巻いています。
僕は店長というポジションにいますが、正直なところ社歴が長い人より会社の歴史を知らないのも事実。会社が培ってきた風土を引継げるラインで、勤続15年以上、且つスープソムリエの試験官という資格を有している人のみが赤色チーフになります。
そう聞くと赤色まで先が長いなと感じるかもしれませんが、それだけ大事にしているものです。
──スープソムリエは神座の肝の部分を担ってるんですね!
『神座』のスープの原液・原材料は、もちろん僕も知らないですし、本当にトップの人しか知りません。
お店ではそのベースのスープをもとに調理をしていくことになります。ラーメンのたれを入れて、肉を入れて、薬味を入れて、白菜を煮込んで、はじめてひとつのラーメンが完成します。その工程を経て美味しいラーメンができるのもスープソムリエが味を守ってくれているからです。
『神座』の成長を肌で実感。名前もまだまだ知ってもらいたい
──『どうとんぼり神座』のネームバリューを感じることはありますか?
正直なところ関東で根付いているというよりは、関西から関東に来た方で、「あ、こんなところに神座がある」という感じですね。店舗数が圧倒的に違うということもありますけど、お店をみて『神座』だと言ってくださるのは、関西在住、もしくは出身の方、だったりということが強いです。
ただ、『神座』のラーメンは、あっさりしたスープがウリですので、飲み終わりに食べたくなるラーメンでもあるらしいです(笑)。
なので、飲んだ後に「あ、神座あるじゃん、食べようよ」となって知ってくださる方もいらっしゃいます。…その認識のされ方が正しいかはわからないですけど(笑)。
でも、少しずつ関東にも店舗出店していて、名前が知れてきているかなと個人的には感じています。これからも店舗出店をしていくにあたっては、都心に出していくのが大事になってくるかなと思っています。
23区内や都市部の方が情報も早いので、それだけ広まっていくスピードも早いと思いますが、それだけでなく、逆にスピーディな情報が届きにくいような郊外にも出店して、地域の方にも利用していただくことも大事だなと、僕の中では思っています。これから全国展開を目指していくのであれば、そういった部分も狙わなくてはいけないと思っています。
──働いていて、会社の成長を感じることはありますか?
会社の中にいて成長は凄く感じます。いろいろな取り組みもしていまして、全従業員に周知できるようにもなっています。チャット形式の連絡ツールを通じて社内の誰もが閲覧できるようになっており、会議で決議された内容や今後取り組んでいく内容は、必ず全スタッフに共有されます。なので、会社の動きをリアルに把握することができ、成長の過程も感じられたりします。
例えば子どもに向けたキャンペーンで、シングルマザーを対象にラーメンチケットを配り、無料でラーメンとサイドメニューを食べてもらおうというものがあります。そこには会社の大きな目標としてある、『子どもの貧困をなくして子どもが無料でラーメンを食べられるような環境をつくりたい』という想いも込められています。
実際にご利用されたお客様から、お店のアンケートフォームや会社のお問合せフォーム、また本社への郵送などへ感謝のメッセージをいただくこともあって、お客様に想いが届いていると感じられる取り組みです。
これからも楽しく仕事ができる環境をどんどん広げていく
──魚澤さんはこれからどのような挑戦を?
もちろんお客様の気持ちが第一優先ですが、そのなかで従業員の働きやすさも大事だと思っています。福利厚生の見直しだったり、産休や育休といった休暇の制度の整備だったり、リフレッシュ休暇なども導入していけたらいいですね。人数の関係で休暇だけ充実させるというのは、他の人への負担になってしまうこともありますが、働きやすさという点でもう少し改善できる部分はあると思っています。
そういった提案はどんどん会社にしていけますし、必ず取り合ってくれる会社です。店長兼マネージャーというポストに就いて、みんなからの意見も吸い上げながら、直接上の人と交渉できる時間は設定できるのが強みです。
マネージャーの業務としては、自店舗管理並びに管轄店舗の臨店です。各店での商品クオリティやサービスクオリティの向上、清掃関係の改善などありますが、僕が今メインで取り組んでいるのは店長との面談です。
店長は、面談はするけど面談をされることがほぼないので、自分を振り返る機会もありません。でも一番お店の事を知っているのは店長で、お店の事を考えているのも店長なので、話したい想いが一番あるんです。
その声を閉じ込めてしまっているので、想いを聞きに行くようにしています。スタッフ面談と店長面談では内容が違いますが、さまざまな角度から意見を吸い上げることができ、週1回、マネージャー以上のミーティングで情報の共有をおこなっています。
──今後の目標や目指していくところは?
役職を狙うというところは別の角度としてありますけど、僕の大枠の目標としては、やっぱりスタッフに楽しく仕事をしてほしいというところ。そのために何ができるかですが、僕に付いてきてもらうのではなく、店長だったり、時間帯責任者だったり、付いてきてもらう側の人材を教育していくのが僕の目標です。スタッフが、あの人に付いていきたいって思える人を育てたいですね。
例えば僕がいる時は楽しく働けるけど、いない時はちょっと暗い雰囲気になる。みたいなことでは、本来の目標である楽しいお店づくり、スタッフがイキイキ働けるお店づくりというのが達成されません。常時そんな環境にできるように人材を教育していくというのが、当面の僕の目標だと思っています。
もちろん、会社の意向ですとか、会社が目指している方向性には、全力で乗っかっていくつもりです。
あとは経験値。足りないものは社歴です。社歴でどうこうということは言いたくないですけど、やっぱり会社の事を知る時間というのは圧倒的に足りてないということが事実としてありますね。
…社歴でマウントとるのは好きじゃないですけど(笑)。
でも社歴が長い人ほど持っている情報は多いですし、新しく変化していくことに対して、以前のやり方を知っていた方が変化への対応もスムーズです。
会社のモットーは「圧倒的な日本一のラーメンチェーン店にする」
──これから『神座』で働きたいと考えている人に向けて、伝えたいことはありますか?
今、この会社は凄く前向きな姿勢でいろんな取り組みをおこなっていて、紆余曲折を経て会社を大きくしています。社長がよく言っているのは「圧倒的な日本一のラーメンチェーン店にする」。もちろん、スタッフも全員、全力でその勢いに乗っているという感じで、全社一丸となって前向きな雰囲気です。
若いスタッフが多いので、勢いもあると思いますが、そのなかでも社歴の長い人たちがドンと構えていて、ブレない軸があるから自由にやらせてもらえる、という風土ができているように感じます。
しっかりと歴史を引継いだまま、新しい取り組みをおこなっていくということができているということと、あとは、この唯一無二のラーメンという部分で誇りをもって仕事に取り組める環境です。前向きな方やどんどん上を目指していきたいという方には、ピッタリの会社だと思っています。
実際、僕が9カ月で店長になって、2年でマネージャーに上がってこれましたので。入社された際にはぜひ、前向きに上を目指していただければと思います。
まとめ
上を目指したいという想いで転職活動をし、「どうとんぼり神座」でそれを実現。しかも9カ月後には店長に就任し、新店のオープニング店長として任されたとのこと。チャンスがあればそれを掴むことができる。今掴めなくても店舗展開を拡大していくなかで掴めるチャンスはすぐに訪れる。そういうモチベーションで取り組み、自身の想いを反映できるお店を増やしていったり、仕組みを提案したりとご活躍をされているようでした。
ポジションがあがっていくにつれてチーフの色が変わり、そのタイミングも月1回ペースでチャンスがあるということで、スピーディにどんどん昇格していっているということが実感できる、よい仕組みになっているように思いました。
会社の勢いに全力で乗っていきつつも、ボトムアップで意見を吸い上げながら体制を整えていくという、働きやすさも感じられそうです。これからも会社として店舗展開を拡げていき、魚澤さん目標としている「楽しく働けるお店」を増やしていかれることを期待します!