
こんにちは!「クックビズ総研」編集部の世古です。
街中のいたる所で見られる「イタリアン」のお店。しかし、一言でイタリアンと言っても、お店のグレードやスタイル、料理、サービスなどで業態は様々です。
どんな業態のお店があるのか?職場としての特徴は?
そんな疑問を今回は解説いたします。
リストランテ/トラットリア/オステリア/バール・・・違いは?
まずは代表的なイタリアンレストランの種類をグレードの高い順からご紹介します。一口にイタリアンといっても客単価・業態は、ほんっとに多彩です!
リストランテ(Ristorante)
単価1万5000円を超えるお店も多数。ドレスコードがあり、富裕層やハレの日使い目的で利用されることが多い。
トラットリア(Trattoria)
大衆的なレストラン・食堂を意味します。ドレスコードも無く比較的カジュアルですが、本格的なイタリアンが楽しめるお店。
オステリア(Osteria)
日本で言う「居酒屋」的なお店。フラッと入れて、ワイワイ楽しくお酒と料理が楽しめる庶民的なお店。
バール(Bar)
昼はカフェ、夜はバールと1日中使える勝手のよいお店。
本格メニューから創作料理など料理も各店の個性が表れます。
グレードの高いレストランでは、調理場はセクション別
上記でお伝えした高級店の部類に入る「リストランテ」、職場としての特徴は以下の通りです。
<グレードの高いイタリアンレストラン:職場の特徴>
- 歴史あるお店、星付きのお店、有名シェフがいるお店も多数
- 高級食材を使う機会も多く、アラカルトからコース料理まで本格的な調理技術を学べる
- スタッフ人数が10名以上のお店もあり、業務がしっかり分担されているので業務の自由度は狭い
- 調理場はクローズキッチンで、前菜場・パスタ場・ストーブ場など完全にセクション別に分かれているのが一般的。経験豊富な料理人がいる職場では、なかなか調理の幅を広げられない場合も(もちろんそうでないお店もあります)
また高級店であっても、以前にクックビズ総研でご紹介させていただいた、ジョヴァノット・上村シェフのように、オーナーシェフが営むお客様と近いイタリアンレストランであれば、接客やお店作り全般に関わるチャンスもあります。以下は、ジョヴァノット・上村シェフのもとで働き始めた料理人の方へのインタビューです。
大衆系のイタリアンでは、サービスや経営を学べる場合多し
席数50席以下、トラットリアやバルスタイルのお店では、以下の特徴があります。
<大衆系のイタリアン:職場の特徴>
- 有名レストランや高級レストランで修行をしてきた料理人が独立してオープンしたお店も多く、本格的な調理技術を学ぶことができる(ただし、店舗により、調理が効率化されている場合もある)
- 少人数で営業しているお店も多く、状況に応じて調理・接客と分けへだてなく業務を行なう
- オープンキッチンである場合も多く、お客様との距離が近い
- 意欲次第でマネジメントや店舗運営など幅広い業務に携われる。独立に向けたノウハウも学べる
- メニュー、食材、店づくり、サービスなど個々のアイデアやセンスを反映させやすい
例えば以前、ご紹介した山下さんは、高級イタリアンレストランからバールへ転職された事例です。調理だけじゃない、接客やサービス、お店作りにまで関われる職場に転職して、将来の独立にむけた経営者能力を身に付けられる、そんな風におっしゃっています。
【参考記事】
イタリアン料理人から経営者へ!梅田の一等地で、勝負できる職場
職場選びの判断基準は、「自分が何を目指すか」
上記のように、お店のグレードやスタイルによっても学べること、身につけられることはさまざま。また、キャリアアップや年収アップを狙う転職をされたい場合は、グレードにかかわらず、「店舗展開しているかどうか、出店計画があるか」を判断して職場探しをされるという視点も大切にされてください。
とはいえ、大切なのは「自分がチャレンジしたいこと」「学びたいこと」「将来どんなお店を持ちたいか」という、ご自身の考え方や方向性にマッチするお店を探してくださいね!