bAR伊藤のオーダーでバーテンダーの伊藤さんとアルバイトスタッフたちがバーカウンター前で笑顔で集まる写真 リレーインタビュー

オーセンティックバーをご存知ですか?
薄暗いカウンターの奥にはお酒の瓶がずらりと並び、バーテンダーがシェイカーを振っている…
そう、それがオーセンティックバー。「本物の」「正統の」を意味するオーセンティックバーは、若者にはちょっと敷居が高いイメージがあります。

でもオーセンティックバーは、誰でも意外と気軽に楽しめるんです。
その魅力はどこにあるのでしょうか?
芦屋市でオーセンティックバー「bAR伊藤」を経営するバーテンダーの伊藤 彰彦さんに、インタビューしました。(取材:2022年6月15日)

※伊藤 彰彦さんは、リレーインタビュー「先輩の遺志を次いで、神戸の人気立ち呑み処「かこも」の次の時代をつくる【リレーインタビューVol.22】」の神田 哲朗さんさんからのご紹介です。

<プロフィール>
伊藤 彰彦(いとう あきひこ)さん
洋画やCMの影響からバーに憧れ、大学生のときに三宮にあるバーでアルバイトを始める。その後、工務店の会社員として勤務するも、再びバー業界に戻り、数店のバーで勤務。その間に数多くのバーを訪ね、師匠である「ルパン」バーテンダーの高長氏をはじめさまざまな仲間と出会う。2001年より芦屋にあるオーナーからアメリカンバーの運営を任され、2007年に同店を買い取り、オーセンティックバーとして「bAR伊藤」を独立開業。現在に至る。

オーセンティックバーのカウンターで笑顔のバーテンダー伊藤 彰彦さん

「bAR伊藤」のオーナーでありバーテンダーの伊藤 彰彦さん。

バーでウィスキーを飲むシーンにあこがれて

編集部:「bAR伊藤」は、いわゆるオーセンティックバーになるんですよね?

伊藤さん:オーセンティックバーですね。バーテンダーが蝶ネクタイとベストを着用するスタイルで、カジュアルなバーではないです。イメージ的にはホテルのメインバーが近いでしょうか。着席で22席。カウンター8席、ボックス席が3卓で14席です。

編集部:どういった方が来るんですか?

伊藤さん:サラリーマンの方というよりかは、経営者や会社の代表の方が多いです。学生さんはすごく少ないですね。ちょっと入りづらい雰囲気ですよね。

編集部:ちょっと敷居が高いですよね。お店はもう始められて20年以上ですよね。

伊藤さん:トータル21年、やっています。初めはオーナーに任されていて、その当時はビリヤード台があってアメリカンバーみたいなカジュアルなバーだったんです。

その状態で6年営業したあとに、オーセンティックバーとして全改装して、翌年に造作譲渡(居抜き譲渡)という形で独立しました。

編集部:オーナーはなぜ伊藤さんに譲ろうと?

伊藤さん:オーナーは工務店を経営されていて、当初は私はその飲食部門の社員だったんです。基本的にはお店の運営には口を出さない方で、お店を手放すタイミングで、お客様もついているしということで譲り受けたんです。

編集部:オーセンティックバーって、先ほど伊藤さんがおっしゃっていたみたいに、お客様が大人で、若い人が積極的に「行ってみよう」「やりたい」とそんなに思わないかな?という印象ですが、伊藤さんはなぜオーセンティックバーをやろうと思ったんですか?

伊藤さん:もともと学生の頃からスコッチウィスキーが好きで、CMや洋画の影響で、ウィスキーをバーで飲むシーンに憧れていました。お酒を飲むシーンや煙草を吸うシーンが「かっこいいなあ」と(笑)。それでバーに行ってみたいとずっと思っていたんです。

編集部:バーでウィスキーを飲むシーンのある洋画というと…「ゴッドファーザー」ですか?

伊藤さん:たくさんありすぎて(笑)。「ゴッドファーザー」も好きでしたね。

大学生の時は、三宮(神戸市)の「リトル・フィート」という、カジュアルなバーでアルバイトしていたんですね。お店の中でペンギンを飼っていて、それを看板にしているバーなんですが。普段着で接客するような、若い方向けのバーです。

当時は、自分で工夫してカクテルを作っていたんですが、自分の作るお酒が本当にこれでいいのか、分からなくて…。もっと追求したくなったんです。

今ならカクテルの作り方も、細かく説明してくれているSNSや動画なんかもありますけど、その当時は情報量が少なくて、ひたすら飲み歩いて勉強していました。給料のほとんどを飲み歩きに使っていましたね。

bAR伊藤のカウンター。シングルモルトウィスキーのラフロイグ10(laphroaig10)

今年で21周年を迎えた「bAR伊藤」。阪神芦屋駅から徒歩3分にある。

編集部:勉強ってたとえばどんな風に?

伊藤さん:その日のテーマを決めて飲みに行くんです。たとえば、ジントニックのことを勉強しようと思ったらジントニックをあちこち飲みに行きます。でも、飲んでも分からないというか…。これだ!と思うものがなくて、自分が作っているものとそんなに変わらないなあと。その頃はバーで働いていても、師匠と呼べる存在がなくて、ずっと師匠が欲しいなあと思っていました。

でもある時に、そういう存在に出会ったんです。フシギなんですが。

「全部の銘柄を当てなさい」。厳しすぎる師匠からバーテンダーの心構えを学ぶ

編集部:どんな出会いだったんですか?

伊藤さん:当時、西宮市にあるバーを任せたいというお話をいただいて、お店を移りました。でもあまりしっくりこなくって。その頃、バーを飲み歩いていて、いろんなバー好きの方とはたくさん知り合っていたんですが、ある日、同い年の高長さんという男性と、たまたまカウンターで隣の席になってお話したんです。

それからしばらくたって、また別のバー仲間の一人が「尊敬できるすごいバーテンダーがいるバーがあるから行きませんか」と言うので一緒に行ったら、なんとその高長さんがカウンターの中に立っていたんですね。それで「あ!…覚えてる?」となって。そこで彼のカクテルを飲んでびっくりしました。バーテンダーとしての所作も本当にかっこ良くて、とても感動したんです。

編集部:それが伊藤さんの師匠の高長 弘一さんですね。どういった方なんですか?

伊藤さん:高長さんは、「ルパン」という夙川にあるバーをされているんですが、スコットランドに留学経験があって。1年半くらいスコットランドでスコッチウィスキーの勉強をされていたんです。スコットランド中にあるウィスキーの蒸留所を回っていたそうです。当時では珍しいことです。

高長さんに再会して、初めてバーテンダーとしての“心構え”を教えてもらったんです。
たとえば、なぜバースプーンはこういう形状なのかといったことに始まり基本的な道具の形、使い方についても全部教わりました。高長さんは、僕がずっと知りたいと思っていたことの答えを全部持っている人でした。

ウィスキーロックをつくるバーテンダー伊藤さん

スコッチウィスキーのロックのオーダーにて。牛刀で氷をグラスに合わせてカットし、マドラーを使ってステア(かき混ぜる)。

編集部:伊藤さんとしては、やっと師匠と呼べる人に巡り合えた喜びでいっぱいだったんですね。

伊藤さん:彼は弟子を取らないというので有名なんです。でも僕はどうしても弟子入りさせてもらいたくて、昼間からお酒を飲みに連れだして、くどき倒して、渋々という感じで弟子入りさせていただきました(笑)。

編集部:熱意が伝わったんですね。高長さんのもとでは、バーテンダーとしてどのような勉強を?

伊藤さん:僕が高長さんのいる「ルパン」にいたのは、結局10日くらいだったんですが、実際は思うほど教えてくれなかったですね(笑)。

編集部:そうなんですか?!

伊藤さん:どうしても分からないところだけは教えるよというスタンスでした。でも礼儀には厳しくて、同い年ですがきちんと敬語を使っていました。あと宿題が出るんですが、それがまた厳しいんです。

たとえば、「1週間以内に店にあるお酒を全部、覚えてきなさい」と。ほかにも抜き打ちで「このお酒を説明しなさい」とか。ジンを8種類並べてテイスティングして、「全部の銘柄を当てなさい」というのもありましたね。

編集部:伊藤さんは正解を答えることはできたんですか?

伊藤さん:ぎりぎりで答えられたんですけど、そんなことばかりがあって、すごいストレスで、仕事が嫌いになりかけましたね(笑)。

もう厳しすぎて、「なんで弟子入りしたんやろう…」とも思ったんですが、今はそれが良かったんだなと思っています。

編集部:正解できる伊藤さんもすごいです。

バーテンダーはこうしてカクテルを作る

編集部:そもそもですが、バーテンダーのカクテル作りって、シェイカーを振ってるイメージはあるんですが、実際にはどんなことをするんですか?

伊藤さん:カクテル作りにはシェイカーを使うんですが、その振り方や氷の詰め方は、カクテルによってすべて違うんです。ひとつのカクテルを作るのも、素材によってシェイカーの種類を変えます。

編集部:シェイカーの氷の詰め方?

伊藤さん:シェイカーの中でどういう風に液体が混ざっていくか、どう空気が入って温度が下がっていくか、氷の詰め方を工夫します。

氷は、専門店で氷塊を買って砕いて使ったり、キューブアイスを凍らせてしめて、カチ割の氷とブレンドしたり。ある程度ノコギリでカットしたら、研いだ牛刀で、グラスに合わせてカットするんです。そして成形してから、また冷蔵庫で締めなおす。カットの仕方で溶けるスピードも違ってくるんですよ。

ロングカクテル用だったら、直方体の長細い氷にカットして、1本がグラスにすっぽり入る感じにします。しっかりシェイクをするんですが水っぽくならないように仕上げます。

一貫目の氷をノコギリと牛刀でグラスサイズにカットし、カクテル用の氷をつくる

氷屋さんから1貫目の大きさで仕入れた氷を、ノコギリや牛刀でカットしてグラスサイズに合わせ、デコレーションを施す。

バーテンダー伊藤さんがグラスの外側に氷をくっつけてデコレーションを施したモヒート

氷のデコレーションを施したモヒートが完成!

編集部:氷の形や道具の使い方、液体の混ざり方で味が変わってくるんですね。科学実験みたいですね。

伊藤さん:僕のテーマは「酸味と甘みと温度」なんです。

季節によってフルーツの酸味が違ってくるので、夏場と冬場でライムの量を微調整したり。
温度でいうと、冷蔵庫の温度を営業中と営業後で変えるんですね。

たとえばソーダ、トニック系のカクテルをお作りするのだったら、営業中は、マイナスに近い状態。最後までキンと冷えたものを飲んでいただくために、凍る手前までソーダトニックを冷やしておきます。僕自身がキリッと冷えたお酒が好きなのもあるんですが。

編集部:冷蔵庫の温度管理まで…。

オーセンティックバーで大爆笑はありなのか

カウンターでお客様と談笑するバーテンダー伊藤さん

お客様と盛り上がることも。

編集部:伊藤さんは高長さんから学ばれたその後はどうされたんですか?

伊藤さん:僕としてはまだ「ルパン」でもっと学びたかったんですが、ちょうどルパンで「新しい店で雇う予定だったバーテンダーにドタキャンされたから、誰か店をやってくれるバーテンダーいませんか?」というお客様がいらっしゃって、それが「bAR伊藤」の元オーナーでした。

編集部:なるほど。高長さんに弟子入りして、その後ついに自分でお店をされるようになったんですね。そして6年後にオーセンティックバーとして「bAR伊藤」を始めたんですね。

でもオーセンティックバーだと若い人には敷居が高いというのもあるし、今の若い人はお酒を飲まない人も多いので、バーの魅力があまり知られていない気もしますね。
あと、バーを出したいという人も、飲食業界の入り口としては入りやすいけど、続くかというと難しいというか、20年以上続いているバーは、珍しい気もします。

伊藤さん:うーん、続いているのはいろんなご縁かなあと思いますね。「bAR伊藤」ではイベントもほとんどしていないんです。同じことをコツコツ続けているだけというか、そうしたらいつのまにか21年目に…。

編集部:お客様もほとんど常連さんということですが、20年来のお客様もいらっしゃるんですか?

伊藤さん:オープン当時学生さんだったお客様が結婚して所帯を持たれてという方もいます。一番古いお客様だったら30年のお付き合いになりますね。違うバーで知り合った方ですけど、僕がお店が変わるたびに来てくださっています。その方のお嬢様の結婚式も招待していただいていたこともありますよ。

編集部:店主とお客様を超えた感じですね。

伊藤さん:そうですね。ある意味、家族みたいな方がどんどん増えて。

編集部:たくさんいらっしゃるんですね。家族みたいな関係性ができる上で、大事なことって何なんでしょうか。
たとえば、バーテンダーさんとおしゃべりしたい方もいれば、一人で飲みたい方、お客様同士でお話したい方もいると思うんですが、それはバーテンダーとしてはどう見分けるんですか?

伊藤さん:長くやっていると感覚で分かってくる部分もあるんですが、でも僕はどちらかというと、基本的に話さない方ですね。常連の方だと、お客様から今日はこんなことがあったよ、あんなことあったよ、と自分からお話してくださいますし(笑)。僕たちの仕事はほとんどが聞き役だと思います。

カウンターでワインをサーブするバーテンダー伊藤さん

ワインをサーブしている伊藤さん。

編集部:もう一度お店に来てもらうコツみたいなものはありますか?

伊藤さん:お客様との距離感ですかね。あまり邪魔にならないように、でも存在感が薄すぎてもいけないという。

僕は長く一人で営業していたという理由もあるんですが、すべてのお客様とお話するために、一瞬でさっと笑わせて、さっと離れるようにしています。空気作りというんでしょうか。それは今も変わらないスタイルですね。

そうそう。でも僕が勘違いしていたこともあって、ルパンにいた時に“創造”“感動”“お笑い”という3つの社訓があったんです。この最後の“お笑い”を、僕はずっと大爆笑のことだと思っていたんですね。でも数年前に高長さんに「“お笑い”は大爆笑じゃない、“ほほえみ“のことや!」と言われて、初めてその真意を知ったんです(笑)。

編集部:確かにオーセンティックバーに大爆笑のノリは合っていないような…(笑)。

伊藤さん:そうでもないですよ。大爆笑しても、それが空気と上手く調和すれば大丈夫です!そこのグループだけがにぎやかだな、という場合は、ちょっと声のトーンを下げていただいたりはするんですけれども。めちゃくちゃ笑顔で「ちょっとだけ、すみません…」と全部言わずな感じで。お酒が入るとどうしてもテンションが上がりますからね。

逆に、あまりに緊張感を出しすぎてしまうと、空気がすごく重たくなるときもあるんです。一見のカップルのお客様が3組くらいカウンターに座ってらしたことがあったんですが、空気が重すぎて、皆さんすごくひそひそと話されていたことがあって。

申し訳ないなあと思って、ワザと扉の音をバタンッと立ててみたりして。音楽のボリュームを微妙に変えてみたり、照明もちょっと明るくしてみたり、暗くしてみたり。「もうちょっと大きい声でしゃべってもいいかな」と感じてもらえないかと(笑)。

編集部:なるほど。重すぎる空気を変えるために、細かな工夫をされたんですね(笑)。

伊藤さん:いろんな実験をして、「なんかここ居心地いいなあ」であったり、「なんかここのお酒美味しいなあ」とかであったり、とにかく何かを感じて帰って欲しいですね。

オーセンティックバーでかっこよく飲む

「bAR伊藤」でお出ししている葉巻。お酒と葉巻は美味しくなる相乗効果があるそう

お酒と葉巻は美味しくなる相乗効果があるそう。「現在、キューバ産の葉巻が非常に入手困難で、葉巻を楽しめるバーも減っているようです」と伊藤さん。

編集部:印象的なお客様はいらっしゃいますか?

伊藤さん:いろんな方がいらっしゃいすぎて!
でもやっぱりバーでは、一人でいらっしゃる女性のお客様に対して「1杯どうですか」と声をかけて、「またここで会いましょう」とさっと先に帰られる方がスマートでカッコ良いですよね。

編集部:指揮者の佐渡 裕さんがお客様として「bAR伊藤」に来店されていると聞きました。

伊藤さん:そうなんです。最初は僕も本当にびっくりしたんですが、もう10年近くになりますね。

僕はクラシック音楽に詳しくないので、初めは何をお話していいのかわからず、緊張して沈黙が多かったです(笑)。でもまた来ていただいて。

カウンターでくつろぐ笑顔の佐渡 裕さん

「bAR伊藤」でくつろぐ佐渡 裕さん。コロナ時期の経営状況を心配し、よくお声をかけてくれていたそう。

もともと佐渡さんは気さくな方なので音楽の話は一切なくても、公演で海外や国内各地を飛び回ってらっしゃるので、面白いお話を聞かせていただいて。コロナの時短営業の時期には、「今日はお店どうだった?」と頻繁に声をかけていただいたんです。精神的にしんどい時期だったので、佐渡さんのお心遣いがとてもありがたかったですね。

編集部:飲食店にとって辛い時期であることを理解されていて、励ましてくださったんですね。

訪れるにも迎えるにもフシギな出会い

編集部:「bAR伊藤」は大人のためのオーセンティックバーということですが、学生のアルバイトスタッフもいるんですね。

伊藤さん:そうなんです。10年ほど前から大学生のアルバイトスタッフに来ていただいていています。
今の若い方は、オーセンティックバーでアルバイトしたいという方は少ないとは思います。だから今いるスタッフは僕の若いころに似た感覚で、バーが好きで来てくれたとは思いますね。デザイン会社とクリニックを経営していて、自分でバーを出したいからと修業で来ているアルバイトの方もいるんですよ。

「bAR伊藤」のスタッフ男性お二人。カウンターでの笑顔のツーショット

伊藤さんのもとでバーテンダーの修業中!

みんな初めはカチカチに緊張しているんですけれども、お客様が声をかけて、いじってくれることもあったりして。

編集部:なるほど、お客様が育ててくれるんですね。

伊藤さん:ありがたいですよね。そうそう、歴代アルバイトのなかの一人が音頭をとってくれて先日、現役とOBのスタッフ同窓会があったんです。卒業していった学生の子たちも、社会人になっても、いい付き合いをしてくれていますよ。

編集部:バーの意義ってお酒を楽しむというのもあるけれども、ほんとさまざまな出会いがあることなんですね。

伊藤さん:本当にそうだと思います。大人の社交場というか。

僕は、僕の好きな人が集まって、好きな人たちがつながっていけば、ものすごく“いい輪”ができるんじゃないかと勝手に思っています。気づけば、長くお付き合いさせていただいている方ばかりなので。前回のインタビューの神田君ももう21年のお付き合いですよ。

編集部:伊藤さんの座右の銘はありますか?

伊藤さん:これは佐渡 裕さんからお聞きした言葉で、

「(才能+運+努力)× 感謝」=奇跡を起こす方程式です。

感謝が「掛ける」なのは、倍増するということです。運というのも、長くバーをやっていると、本当にフシギなことが多いんですよ。昔お世話になった人や会いたかった人が、突然会いに来てくれたり。お客様同士でご結婚された方もいますし。

編集部:バーこそ奇跡が起こるのかも!
最後になりましたが、伊藤さんが「面白い!」と思う次の方をご紹介いただけますか?

伊藤さん:芦屋にあるワインショップ「ワインガーデン リブゴーシュ」のオーナーの細谷 志朗さんです。僕は特にスコッチウィスキーが好きで、実はワインがずっと苦手だったんです。それが、細谷さんのワインショップとお付き合いさせていただいてから、苦手が解消されて。それで2008年にソムリエの資格を取ったんですが、その時に勉強させていただいたのが細谷さんです。

編集部:苦手だったのにソムリエ資格を取るまでになるって、興味深いですね。細谷さんとお話できるのを楽しみにしています!今日は、ありがとうございました。

<インタビュー:峯林 晶子・杉谷 淳子、記事作成:峯林 晶子>

まとめ

伊藤さんいわく、オーセンティックバーは「大人の社交場」。それぞれの人生を抱えた大人たちが、ちょっとした安らぎを求めて訪れれば、新しいお酒の味に感動したり、少し元気になったり、人生を変えるような“何か”を見つけることさえもある。(伊藤さんご自身、奥様との出会いもとあるバーだったそう)
今回の伊藤さんの取材を通して、オーセンティックバーは、お高くとまった場所じゃない、とても優しい場所なんだと感じました。

<取材協力>

bAR伊藤の外観。スケルトン階段をあがると2階がbAR伊藤のエントランス

店名 「bAR伊藤」
住所 兵庫県芦屋市大桝町6-12 NEOXビル 2F
阪神「芦屋駅」から徒歩3分
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<写真・動画提供>

伊藤 彰彦

▼続いてのリレーインタビュー記事はこちら

美味しいワインの選び方は、店選びと自分の味覚を信じること~ボージョレ・ヌーヴォー直前情報も【リレーインタビューVol.27】


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