カフェの店員

飲食店には、ほかの業界にはない業界用語がたくさん存在します。
今回はそんな飲食店の業界用語を集めてみました。これから飲食店で働こうと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

デシャップとは?

デシャップとは、英語の「Dish UP」のことで、2つ意味があります。

1つ目は、飲食店のキッチンとホールの間にある、厨房で調理された料理が上がってくる場所という意味。
2つ目は、デシャップでの業務そのもの。

飲食店では後者で使われることが多いです。
デシャップ業務は、キッチンで出来上がったお料理を、客席へ運んだり、キッチンとホールとの間に立って、コース料理の提供状況の把握したりが主な内容となります。

ホールがデシャップを兼任することもありますが、大型店では、デシャップ専任者がいる場合もあります。

デシャップの重要性

飲食店において、デシャップ業務は非常に重要です。

単に「お料理を運ぶ」だけでなく、経験をつめば、

  • お客様にオーダー通り料理を提供しているかを把握する
  • 調理場・ホールへお料理の遅延状況を伝える
  • キッチンスタッフが作ったお料理が、メニュー通りの盛り付けになっているかを確認する

など

お店の「司令塔」として、非常に重要な業務もあります。
このポジションは経験が豊富でなければ勤まりません。

バッシングとは?

バッシングとは、お客様が帰られた後に、お皿やコップ、シルバーなどをテーブルから下げること。
主に、飲食店のフロアサービス担当が使う業界用語です。

バッシングの作業を早く終わらせることで、次のお客様へ席の案内がスムーズになります。

また、お客様がいる状態で、テーブルの空いたお皿やコップ、シルバーなどを下げることを、「中間バッシング」と言います。

中間バッシングとは?

「バッシング」とよく似た言葉である「中間バッシング」とは、お客様がいる状態で、空いたお皿やコップ、シルバーなどを下げることを言います。

  • お下げしてよろしいでしょうか?
  • お下げいたします。

などとお伝えして、中間バッシングを行いましょう。

空いたお皿を下げる際に、追加のドリンクやご注文を伺うことで、お客様の満足度をあげることにつながります。

チャンバーとは?

チャンバーとは、飲食店にある大きな冷蔵庫、冷凍庫のことを言います。
主に、飲食店の調理場で使われる業界用語です。

「チャンバーから、●●を取ってきて」と言われたら、冷蔵庫から●●を取ってきてということ。
迷わないように頭の片隅にいれておきましょう。

由来は英語の「chamber = 部屋、室、空間」から来ているとか。

ヤマとは?

「ヤマ」とは、「売り切れ」「品切れ」「在庫切れ」のこと。
飲食店スタッフ同士で使用する業界用語で、お客様の前で使用することはありません。

由来は諸説あり「山の頂上に登るとその先は無いこと」「ヤマほど売れて売り切れた」からきているなどとも言われています。

ヤマになったメニューの注文を受けてしまうと、お客様に後からお断りする必要があるのでご注意を。

お断りする必要がないようシフトに入る際には、ヤマのメニューがないかを確認しておきましょう。

ハンディと呼ばれる注文機械では、メニューボタンを押すとヤマとわかるよう音が鳴ることが多いので、そうした点も事前に確認しておくと良いでしょう。

トレンチとは?

「トレンチ」とは言ってもコートではないですよ!
飲食店では、「(丸い)お盆」のことを「トレンチ」と呼びます。

トレンチの持ち方を簡単に

手のひらを広げトレンチを支えます。この際手のひらがべったりとつかないように。
肘は90度に。

料理やドリンクは、重いものは手前に置くようにするとバランスが取りやすいですよ。
提供するときは、膝を曲げて体全体を下げながら皿やグラスをテーブルに置くように。

コツを覚えると、移動中にドリンクをこぼすなどのトラブルを防げるとともに、一度にたくさんのグラスや皿をトレンチに乗せられるようになり、提供も片付けもスムーズにできますので徐々に慣れていきましょう。

兄貴・弟とは?

食品の管理に使われるのが「兄貴」という言葉。
飲食店において生鮮食品の管理は大変なこと。仕入れたものから使用しているといつまでも古い食材が残ってしまいます。
そんな時に使われるのがこの言葉。

兄貴とは「古い食材」という意味です。

古いものから使ってという会話がお客様に聞かれてしまっては大変。
「◎◎は、兄貴から使っていって!」といった会話が飛び交うこともあるかもしれません。

反対に新しい食材は「弟」と言います。

アイドルタイムとは?

「アイドルタイム」とは、お客様の数が少ない時間のこと。ピークタイムの逆を指します。

クローズタイムがなくランチタイム、カフェタイム、ディナータイムと続くようなお店の場合は、ランチのピークが過ぎた14時〜15時頃からのお客様が少ない時間帯のことです。

ランチ営業・ディナー営業が別れているお店の場合は、ランチとディナーの間のクローズの時間帯と考えれば間違いないでしょう。

AKB48のようなIDOL(アイドル)ではなく、IDLE(アイドル)が語源。

IDLEには「仕事のない、暇な、空いている」といった意味があり、アイドルタイムとはそのまま「仕事のない時間」「暇な時間」となります。

仕込みや清掃、新人の方の教育等暇な時間にするのではなく有効活用を。

ダスターとは?

「ダスター」とはテーブルの汚れを払うふきんや雑巾のこと。
耳にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

由来はDUST(ダスト)。
「ちり、ほこり、ごみ」という意味が含まれています。

テーブルを掃除するものなので、清潔に保つよう心がけて。

カスターとは?

「カスター」とは塩や醤油、つまようじ等テーブルにセットされた容器のことを指します。
Casterには「振りかけ容器、薬味立て」という意味があり、そこから来ています。

カスタートレーの下は意外と汚れています。
バッシングの際にはチェックしてみてください。

シルバーとは?

シルバーとはナイフ、フォーク、スプーン等のこと。
一般的にはカトラリーと呼ばれているものです。

「シルバーが少ないから補充しておいて」
このような指示があればナイフやフォークを補充しておきましょう。

西洋では「食べ物に毒を混ぜて殺す」ということがありました。
銀は変色しやすく察知しやすいため、銀製のものが普及したそうです。
その銀製に由来してシルバーと呼ばれています。

ラウンドとは?

ラウンドとは、お客様のテーブルを見て回ること。
回ってサービスをする「ラウンドサービス」という言葉を短縮したものです。

空いた食器やグラスがたくさん並んでいる、飲み物が残り少ない、
テーブルを見て回ることで得られる情報はたくさんあります。

そこでの気付きをサービスに活かしていきましょう。

三番とは?

三番とは、トイレのこと。
お客様に直接聞かれてしまうのは良くないので、番号で呼びます。
この番号は店舗によって様々。

「三番チェックお願い」と言われれば、トイレットペーパーの補充やかんたんな清掃を行いましょう。

サプライとは?

サプライとは使い終わった食器やグラスを決められた場所に戻すこと。
英語の”SUPPLY”が「供給する、補充する」という意味から使われています。

ビールのジョッキが冷えていないことでクレームになったことはありませんでしょうか?

そうしたクレームも使用したジョッキを指定した冷蔵庫にはやめにもどしておけば防げたクレームかもしれません。

忙しい時ほどないがしろにせず、常に目を配らせ、早めのサプライを行いましょう。

いかがでしたでしょうか?
これらを覚えておくと、飲食店で働く際に困ることは無いので、ぜひとも覚えておきましょう!