飲食業界で独立を考える料理人に送る、10のメッセージ

こんにちは。イタリアン料理人の木下です。
「飲食業界で独立を考える料理人に送る10のメッセージ」、第7回のテーマは、「忙しい料理人パパもイクメンになれる。積極的に育児しよう!」です。

育児は、夫婦協力体制で

僕は現在4歳の娘が一人います。諸先輩方から「子供が生まれると大変」とは前々から聞いてはいましたが、本当に大変です。全てが子供中心の時間になってしまうので、自分の時間はほとんどなくなります。

僕の家庭の場合は休日も妻が仕事のことが多く、僕と娘の二人きりで過ごす日も多々あります。
そもそも僕が二人分以上の稼ぎがあれば問題ないことかもしれませんが残念ながらそんな状況でもありません。自分が家にいない時は妻に負担を強いているので、持ちつ持たれず夫婦協力体制です。

母と子の手

料理の仕事の時間はとても長いです。
一般的なレストランだと仕事を終えて帰宅した頃には子供はとっくに寝静まっており、翌朝の出勤前に少し子供と会話を交わす程度だと思います。
子供にとったら、お父さんは朝にしか家に存在しない人ということになります。子供とコミュニケーションをとりたくてもなかなか時間がないというのが現状多いと思います。

子どもに働いている姿を見せられるのは、料理人の特権

僕は一般的なサラリーマン家庭で育ったので、幼少の頃休日は父に釣りやドライブなどに連れていってもらって楽しかった思い出も沢山ありますが、平日にどんな仕事をしていたのかは知りませんでした。

野球をする親子

会社名や役職名を知っていても仕事をしている姿を見たことがないので、想像はできるものの未だに具体的に父がどんな仕事をしていたのかは分かりかねます。
そういう思いもあったからなのか、僕は物心つく中学生ぐらいから大人になったらサービス業に就きたいと思っていました。

当時はカタチとして分かりやすい仕事がよかったのだと思います。そしていつか自分に子供ができたら、子供に自分が働いている姿を見せられる仕事がいいという思いもありました。

料理で子どもを楽しませる、料理人ならではの子育て

仕事でいつも料理をし、休日まで家で料理をするのはしんどいことありますが、子供を楽しませるのには良い手段だと思います。

僕は家で娘に、「今から○○を作るよ」と言って料理をすることもあれば「何ができると思う?」と問いかけてから料理をすることもあります。
そうすると食材や調理工程を見ていろいろと出来上がりを自分で考えようとします。

カレーやシチューに入れる人参なんかだったらスライスした物を用意して、ハート型や星型の型抜きで型抜き作業をやらせてみるととても楽しそうにし、そして出来上がった料理の人参も美味しそうに食べてもらえます。

クッキー作り

ホットケーキミックスと玉子と牛乳をボウルに入れ、かき混ぜる作業だけでも子供にとったらとても楽しい作業です。
オムライスのケチャップはハートやリボン状に。時には名前を描いてあげることも。
フルーツのカットも花の形や船の形にカットして楽しませることができます。

興味が出てくると僕が料理をしていると覗きにきて、「それ何?」と問いかけてきます。
まだまだキッチンには背が届きませんから抱っこしてまな板の食材の状態や鍋の中のスープの状態などを見せて説明してあげています。

当然フライパンを振ることもまだできませんが、火にかかっているフライパンも「ちょっと持ってみる?」と言って触らせてあげるととても嬉しそうにしています。
正直なところこのまま娘が料理に興味を持ち続けて早く家庭料理ができるようになれば、自分が楽になれるなぁという思いもあります。

が、それ以上に料理ができるようになる、ということは生きていく上でもとても役にたつことだと考えています。

料理を通じて、相手の気持ちが分かる大人に

料理とは、完成品に向かって自分で段取りを考えいろんな下準備や調理工程を経て、そして最後にそれらが合わさって出来上がります。
目標に向かって一つ一つの工程を自分で考えてクリアしていく作業は、将来の仕事や人生にとっても役に立つことだと思います。

味付けや盛り付けも食べる人がどんな味が好みで、どういう風に盛り付けしたらキレイに見えて喜んでもらえるか、ということが考えられるようになれば、相手の気持ちが分かるような大人になってもらえるような気がします。

娘は今、「大きくなったらパティシエになりたい」とか「クッキー屋さんになりたい」と言っています。
長らく家でクッキーも焼いていないから今度は一緒にクッキー作りもしたいですね。

次回は2月21日(金曜)に更新です!
次回コラムは、「一人●役のバールは、経験値を貯める最高の場所である」です。またぜひご覧ください。

<コラム作者紹介>木下誠吾

香川県出身。調理師専門学校卒業後、船上料理人として就職。その後イタリア料理店で、23歳にして料理長を任せられる。レストラン新店立ち上げ、店長兼料理長としてレストラン経営を任せられるも、あえなく閉店。その後、ダイニングバーへ転職し、2010年から「オステリア エ バール インコントロ」の料理長としてオープンから関わり、お店は界隈の人気店として定着。2013年からはイタリアンワイン卸会社へ転職。3年後の独立目指し、今はワインの知識と自身の人間性を高めるべく、毎日仕事に取り組んでいる。家庭では、バリバリ働く妻と4歳の娘がいる。

【連載企画/飲食業界で、独立を考える料理人に送る、10のメッセージ】

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