調理風景_寺坂雄吾料理長


横浜の活気あふれる南幸エリアに位置する「炭火焼鳥 塚田農場 横浜南幸店」。ここで厨房を預かるのは、31歳という若さで料理長を務める寺坂雄吾氏です。2016年に外食企業「エー・ピーホールディングス」に入社して以来9年目、入社3年目には早くも料理長としてその腕を振るってきました。

同社は、日本国内にとどまらず海外にも積極的に展開する大手外食企業です。食品の生産(一次産業)から加工・流通(二次産業)、そして販売(三次産業)までを一貫して手掛ける独自の「生販直結モデル」が強みで、飲食店が生産地と深く連携し、生産者と消費者を繋ぐ架け橋となっています。

お客様に「美味しい」だけでなく、「楽しい」「新しい」食体験を提供することに情熱を注ぐ寺坂料理長。これまでの歩み、料理へのこだわり、そして生産者や仲間との絆に迫ります。

「美味しい」のその先へ:お客様の記憶に残る「食体験」を追求

──これまでの飲食業界でのご経験と、エー・ピーホールディングスに入社されたきっかけは何ですか?
大学を卒業して新卒で入社しました。この会社を選んだのは、社風と、実際に働いている人たちの熱量に惹かれたからです。社長も含め、食材に対する想いや、人との関係性に対する考え方にとても共感できました。会社説明会で社長の話を聞き、そこで感銘を受けたのも大きいです。

もともとアルバイトからの入社です。その時の店長の温かい人柄も決め手になりました。アルバイト時代に調理もやっていたので、入社後はスムーズで、入社してから本格的に調理に携わりました。

──料理を通じてお客様にどのような「食体験」を提供していきたいですか
「美味しい、楽しい、新しい」ですね。お客様にはただ美味しいだけでなく、美味しいのは当たり前として、「新しい発見」や、食を通じて「楽しい」と感じてもらえるような料理を提供したいと考えています。

「新しい」ということについては、創作料理のようなイメージです。例えば、馴染みのある焼き鳥を召し上がっていただくにしても、見た目や発想が「新しい」と感じてもらえるようなもの。塩とタレが一般的ですが、新しいソースを使ってみたりですね。

あとは調理で大切にしていることは、お客様の満足度を上げることです。先ほども言いましたが、美味しいのはもちろん、お待たせしないこと、きれいに盛り付けることを意識しています。スピードも重要で、お客様の限られた滞在時間の中で楽しんでいただくためには、お待たせしないことを大事にしながら進めています。

産地についても同様です。この産地からこうやって届けられているから美味しいんですよ、といったことや、同じ鶏肉でもどう違うのかなど知識をお伝えできるかどうかで、お客様の感じ方は変わってきます。

現場で紡ぐ生産者の想い:お客様の「美味しい」を届ける喜び

──仕込み、調理を中心に料理長業務は多岐に渡ると思いますが、具体的な仕事内容は?
主には仕込みと調理です。その他に、数値管理、原価の管理、シフト管理なども行っています。

一品料理のメニュー開発では、去年まで焼き鳥の付け合わせの野菜メニューなどを開発していたのですが、今年は本格的に一品料理の方を担当させていただいています。次の新メニューには、自分で作ったメニューが加わる予定です。

野菜の素材に関しては、実際に八百屋さんを仲介して、長野や千葉の成田の方など、産地に行って生産者と交流しました。

インタビューにこたえる寺坂雄吾料理長

──生産者の方々との連携や関わりで印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
宮崎の地鶏”みやざき地頭鶏”や”霧島鶏”の生産者さんとお付き合いがあり、実際に養鶏しているところを見学させていただきました。その後、懇親会などで一緒にお酒を飲む機会があったのですが、そういった場で「この素材をこんな料理にして、こんな風に出したら、お客様はこんな表情をしていましたよ」という話をしています。

お客様から「宮崎の地鶏、美味しいね」という声をたくさんいただいていることを生産者さんに伝えると、「そうだよ、自信持って出してるもん」という話になったりもします。そういった交流は、やはり印象に残っていますね。

料理人としての成長と未来への挑戦:ヒット商品を生み出すクリエイティブな力

──御社のVisionに、『食の未来を広げるフードクリエイター集団<FOOD CREATIVE FIRM>をめざす』とありますが、生産者との交流が未来の輪を広げていますね
そうですね。補足するなら、当社にはさまざまなクリエイターがいて、私のように料理を開発する者もいれば、その料理の見せ方を研究するクリエイターもいますし、ドリンクを開発するクリエイターもいます。SNSを活用した見せ方や、売り方もそうですし、そういった専門クリエイターがいるからこそ、未来の可能性を広げながら進んでいけるのだと思います。

──料理はクリエイティブの要だと思いますが、厨房のチームワークはどのように築かれていますか?
やはり目標設定ですね。特に年末はかなり忙しくさせていただくのですが、スタッフはアルバイトがほとんどです。どうしても多忙を極めるシーンも出てしまうのですが、しっかり目標設定をし、そのフィードバックを行っています。何のために今頑張るのか、明確にすることが、メンタル面のフォローにつながっていると思います。

あとはコミュニケーションを通じてフォローしたりカバーしたり。上下関係なく、常に感謝の気持ちを持ち、協力しながら達成をめざしています。

スタッフに料理を渡す様子_寺坂雄吾料理長

──料理人の育成やキャリアアップについて、会社のサポートはありますか
年に数回、料理長が自分の料理を披露する場があります。去年も2回ほどありました。腕を試すというわけではありませんが、日々の調理からアイデアを得て、それを表現する場として活用しています。そこで良いものが出れば、メニュー化に進むこともあります。

普段SNSなどで情報を得ることもありますが、得るだけで創造するところまでは普段の仕事をしながらでは、なかなかできません。しかし、そういった機会があると、自分のアイデアをかき立てて何かを作り出せるので、料理人として非常に必要な場だと感じています。

──横浜という立地でお客様に料理を提供する上で、意識していることや、『また来たい』と思えるお店であるために意識されていることはありますか?
「おしゃれな空間」と、「美味しい焼き鳥とワイン」です。お客様に空間を楽しんでもらえるように意識しています。焼き鳥屋さんって、おしゃれなところは高級店に行けばありますが、中価格帯で気軽に行ける焼き鳥屋さんでおしゃれなところはあまりないと思うんです。ワインだけでなく、焼酎を使ったドリンクなどもあり、汎用性が高いのも特徴です。

炭火焼鳥 塚田農場 横浜南幸店_内観

──『この仕事をしていて良かった』と感じるのはどんな時ですか
「美味しい」という反応があると嬉しいですね。調理しながら店内全体を見渡せるので、食べている表情が見えるのも嬉しいです。

あとは後進の成長です。スタッフは学生が多いので、最初は何もできないのですが、教えていくことでどんどん上達して、自分と同じくらいの技術を持ってくれるようになると育て甲斐があったなと嬉しく思います。

──料理人として働く上で『大切にしていること』は何ですか?
「素材を殺さない」、そういった思いを持って作ることですね。なんとなくたくさん作っていると作業的になりがちなのですが、そこを作業ではなく、ちゃんと“料理”という形で表現したいと思っています。

食材も大切です。これに関しては、会社が日本のさまざまな隠れた食材を探しています。その他にも、いつも使っている食材でも、「この地方のこれが美味しいから使ってみて」という紹介があったりして、新しい食材に触れる機会が多いこともありがたいです。

調理風景_寺坂雄吾料理長

──これまでの経験の中で、最も苦労したことと、そこから得た学びは何ですか?
何よりも「人」ですね。人と人との関係、人と人との商売なので、やはり人間関係です。つい感謝の心を忘れてしまうと、それが一緒に働いている人たちにも伝わってしまいます。調理の幅広いスキルはもちろん向上しましたが、自分のあり方がしっかりできていないと、周りの人も、お客様も幸せにできないなと思いますね。
人間力の教育も弊社では社内研修として行っているんですよ。

エー・ピーホールディングスで働く魅力と未来への挑戦

──この会社で働く魅力は何だと思いますか?
個性豊かな人が集まっていること、熱量が高いことだと思います。食材に関しても、全国のさまざまな食材に触れることで、料理人として成長ができる点は魅力です。あとは、育児休暇制度などもあり、店長なども積極的に利用しているので、後に続く者も働きやすさもを感じます。結婚して子どもが生まれても、育てながら働き続けられるのは良い点です。

──会社の理念やビジョンに共感する点はありますか?
私も食に関してはすごく興味があるので共感値は高いです。今、商品開発に携わらせていただいて、食材の活かし方なども勉強しているので、より料理人としてのステップアップができていると感じています。そこはやりがいですし、クリエイターとして進化できる場があるのが良いなと思っています。

スタッフの調理を見守る様子_寺坂雄吾料理長

──今後、会社でどのようなことに挑戦していきたいですか?
ヒット商品を作りたいです。今はSNSが流行っていて、そこで“映える料理”もありますが、やはり私自身、写真映りだけでなく、また食べたくなるような料理を作りたい。今年一年で、一品だけでなく何品か作れたら良いなと思っています。

──求職者に向けてメッセージをお願いします。
飲食業というのは、モノを売っているのですが、食材などを通して「想いを売る」ことができるのが、やはり飲食業だと思います。人と人だけのコミュニケーションだけでもないし、モノだけのコミュニケーションでもない。その両方を伝えられるのが飲食業だと考えているので、業界的な面白味は十分にありますよ。

この会社では、チャレンジしたい人や夢がある人たちには、挑戦をさせてくれる会社だと思っています。向上心があって、色々なことをやりたいという意欲が強い人にはぴったりです。

集合写真_寺坂雄吾料理長・山田店長・男性スタッフ

編集後記

寺坂料理長のお話から感じられたのは、生産者への敬意、チームへの配慮、そして飽くなき探究心。「美味しい」を当たり前に、その上を行く「新しい」「また食べたくなる」料理を提供したいという強い信念は、お客様の心に響く「食体験」の創造へと繋がっています。ガラス越しにオープンキッチンになっているとのことですので、横浜を訪れる機会があれば、ぜひ寄ってみたいと思います。
お忙しい中、取材を受けてくださり、ありがとうございました。

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