ANAケータリング工場外観



「ワクワクで満たされる世界を」という経営ビジョンのもと、空からはじまる多様なつながりを創り、社員・お客様・社会の可能性を広げていくANAグループ。
そのグループのなかで唯一、物を作って販売しているのが「株式会社ANAケータリングサービス」(通称:ANAC)です。原材料を仕入れて、そこに付加価値をつけてお客様に提供する、無限大のビジネスチャンスがある会社です。

今回、ANACが手がける、ANA航空機のファーストクラス・ビジネスクラスで提供している機内食の製造工場と、空港内ラウンジの裏側を、クックビズ総研編集部スタッフがご案内します。
『機内食』がどうやって作られているのか、なぜ雲の上の飛行機の中でこんなに美味しく食事ができるのか、工場内や空港内に潜入してお伝えしていきます!

職場紹介動画

【機内食】地上でつくって空で美味しく食べるための秘策

──羽田・成田の空港近くにある工場で手作業
機内食は川崎工場、羽田工場、成田工場で作っています。羽田工場ではデザートを、川崎工場・成田工場では和食・洋食の食事を手がけています。
1日に作る食事は約2万5,000食になります。

和食・洋食を手がける工場では、洋食調理課・和食調理課。ディッシュアップ課・ミールセットアップ課などにわかれていて、スタッフは各課に配属。
その課のなかでもいくつかのセクションにわかれていて、それぞれの担当を持って調理をしていきます。
最初にお伝えしておきますと、料理はすべて手作業で完成させていきます。

お魚・お味噌汁等の和食機内食

──技術が光る和食調理
では和食作りを覗いてみましょう。和食はまず、和食調理課が調理をおこないます。
『プレパレーション』では、野菜や肉をカットしたり、魚の下ごしらえなどをしていきます。“素材のカット”と聞くと、簡単な作業と思われるかもしれませんが、実はここがポイント。どのお皿にのっている素材も同じ大きさになるように切り分け、形も揃えています。料理人としての技術が光る作業です。
衛生面でも、肉・魚でまな板の色を変え、違いがわかるようになっていたり、包丁を変えるなどして管理を徹底しています。

パプリカをカットしている手元

──ANAの味を担う
焼きや煮炊きをおこなう『煮方場』では、焼き物や煮物、味付けや料理の仕上げまでしていきます。
ANAが運航しているファーストクラス・ビジネスクラスの機内食の味、つまりはANAの美味しい味が、ここでつくられています。
ちなみに、調理に関わるスタッフは社内で約190名いて、その内、社員は青いキャップを被っています。作業場では全員が衛生白衣を身にまとっているため、指揮をとる人がわかるようになっています。

スタッフの方がお料理を味見している様子

──料理を美味しく盛り付ける
盛り付けはディッシュアップ課が担当。和食調理課で作られた煮物や焼き物、揚げ物、また魚の切り身やカットされた野菜など、それぞれの担当が手がけた各料理を、メニューレシピ通りにお皿に盛り付けていきます。盛り付けの実作業は、基本的にパートスタッフがおこなっています。
盛り付けられたお皿はミールラック(台車)に載せて、金属探知機を通して冷蔵室に格納されます。

お刺身を盛り付けている様子

──いよいよ手がけた料理が飛行機に
ミールラックに積まれている料理を盛り付けたお皿を、ひとつのトレーに数種類並べれば、一人前の機内食が完成。その最後の仕上げを担うのが、ミールセット課です。
お客様に召し上がっていただく機内食は、そうやって料理ひとつ一つをそれぞれの担当が手作業で作り上げています。一人で完成させる料理ではなく、みんながそれぞれの役割を全うしプロフェッショナルな仕事をしていくことで、美味しい料理を届けることができているのですね。

【ラウンジ】空港の制限区域内で手がける「一口食べて美味しい」料理

──ラウンジ利用も旅の目的のひとつになるように
ANACが担当するラウンジは、成田・羽田の各空港、各ターミナルに複数あり、お客様にお料理を提供したり、食材の在庫管理や発注などをおこなっています。

オーブンにハンバーグを入れるスタッフの方

──空港内には制約・ルールがいっぱい
ラウンジがある場所は、空港内の危険物等所持制限区域ですので、とても厳しい制約があり、包丁は小さいものしか持ち込めなかったり、その包丁も頻繁にチェックをするなどして管理を徹底。ハサミやアルコールスプレーなどもすべてチェックしていきます。

食材の袋をカットしている様子

──空港内はガスも厳禁です
制約が厳しい環境でも、ラウンジをご利用される方に美味しい料理を提供していくことができています。料理のジャンルもさまざまで、洋食、和食、お寿司、ラーメン、そば・うどん、グラタンやパスタ、アペタイザーなど小皿料理もお出ししています。
でも火は使えません。IHで調理していきますが、業務用のIHなので、熱度は強力です。

ハンバーグを焼いている様子

──召し上がる方の顔が見れる調理も
またラウンジでは、厨房内での調理だけでなくライブキッチンも実施しています。お客様の前で、お寿司を握ったり、ハンバーグを焼いたりなどして提供。お客さまもスタッフも、笑顔が溢れます。パフォーマンスも調理の一環ですね。

まとめ

機内食はレストランとは異なり、食事のために長時間いただくことや、コース料理で何皿もお出しすることはできません。それは、飛行機を利用されるお客様への配慮もふまえ難しいからです。
そのため、前菜・メインディッシュ・デザートという品数だけで、クオリティや満腹感で満足いただけるような工夫がされているとのことです。
例えば、新しいメニューを開発した際には、出来立てを試食するのではなく、どの料理も24時間置いてみるんだとか。お客様に届く時間を想定した上で試食し、美味しく食べていただけるか工夫を重ねているんですね。
そういった努力が伝わっているのか、お客様からは多数のGoodコメントが届いています。また、世界中から集められるオンライン形式のアンケート結果に基づいて決定する、SKYTRAX社の「Best Business Class Onboard Catering」でも、2019年の最も優秀な航空会社として選ばれたとのことです。
https://www.anahd.co.jp/group/pr/201906/20190619.html
ライブキッチンの展開がスタートする空港ラウンジ、さらに外販にもチカラを入れていく「株式会社ANAケータリングサービス」。今後も同社が手がける料理に注目していきたいです!

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