六次産業

一次、二次、三次の掛け合わせ=6次産業

6次産業(ろくじさんぎょう)とは、農業や水産業などの第一次産業が食品加工・流通販売にも業務展開している経営形態を表す、農業経済学者の今村奈良臣が提唱した造語。また、このような経営の多角化を6次産業化と呼ぶ。Wikipedia~第六次産業~

一次産業、二次産業、三次産業をひとまとめに展開する産業を6次産業と呼びます。
言葉としては造語なんですね。

提唱された当初は「1+2+3=6」という足し算の概念だったようですが、それぞれを連携させて推進させる必要があることから「1×2×3=6」の掛け算の概念で使われることが主流となっています。
一次二次三次のどれかが「0(ゼロ)」になったら成り立たないんです、とよく聞こえてきます。

一次産業は、言わずと知れた農業のように、自然の恵みである農林水産物をそのままお仕事として扱う産業で、一般的には農家さん、漁師さんをイメージされるとよいです。
野菜、果物、魚などの料理の原材料となるものが取引されます。

じぇじぇじぇの彼女も一次産業従事者ですね。
林業もこれにあたります、木材そのものですからね。

二次産業は、一次産業で生産された原材料を元にして別の何かに加工・製造することで成り立つ産業です。食産業に限って例をあげると、冷凍食品の製造、缶詰の製造、干物の加工、パン製造などが挙げられます。

三次産業は、一次・二次産業のどちらにも属さない産業。小売、流通、サービス業などはこれにあたります。
僕たちのような業態も三次産業です。

少し古いデータですが、日本におけるこの3つの産業の割合の推移はこのような感じです。

3産業分布統計局調べ

2005年には約70%が三次産業となっています。
先ほども書きましたが、三次産業は、一次・二次産業のどちらにも属さない産業。

小売、流通、サービス業などですので、スーパーマーケット、コンビニ、百貨店、運送業などをはじめ、ケータイショップ、電気屋、それこそ八百屋さんも三次産業になります。
もちろん僕たちのような人材紹介業も三次産業です。

現在のわたしたちの生活を想像すれば当たり前といえば当たり前の結果ですね。

6次産業化事例:伊賀の里モクモク手づくりファーム

伊賀の里モクモク手づくりファーム

三重県伊賀市にあるモクモクファーム、ご存知でしょうか。

ウインナーやパンの手作り教室が可能なテーマパーク、とでもいいましょうか。
僕もウインナー作りを体験しに行ったことがあります。傘下の研究所ウェブサイトにはこうメッセージがあります。

私たちの母体は三重県伊賀市にある“伊賀の里モクモク手づくりファーム”です。モクモクは創業当時から「おいしさと安心の両立」をテーマに、「自ら生産し」「自ら加工し」「自ら販売」しながら、農業の新しい価値を作り続けています。現在、世の中では6次産業化が注目されていますが、モクモクはすでに24年前の創業当時からそのコンセプトを確立し、それを常に進化させながら今日までやってきました。

モクモク流農村産業研究所より

6次産業化が叫ばれる以前より、生産、加工、販売を実践されています。モクモクブランドとして確立された加工品はブランド化されインターネット販売がされています。商品開発が盛んに行われているようで、美味しそうな写真とともに、ストーリーのある商品が多数並んでいます(「ストーリーがある」はすごく大事なのでまた別の機会に)。

また、モクモクで生産された素材が食べられるレストラン「モクモク農場レストラン」も展開。JR大阪三越伊勢丹、名古屋セントラルタワーズ、あべのハルカスなど、中部地方~関西の主要都市に店舗を展開しています。月替わりに変わる自然の素材をふんだんに使ったメニューが人気で、まさに6次産業、といった事例ですね。

農業の6次産業化とは、日本人の食を支える救世主となるか

6次産業化の提唱者、今村奈良臣(いまむらならおみ)氏は以下のようにメッセージを発信しています。

私の食料・農業・農村政策にかかわる基本スタンスは、次の5点に集約することができます。

農業は生命総合産業であり、農村はそれを創造する場である。
農業ほど人材を必要とする産業はない。
農業の6次産業化を通じ、食と農の距離を全力をあげて縮める。
トップ・ダウン農政から、ボトム・アップ農政への転換に全力をあげて推進する。
共益の追求を通して、私益と公益の極大化をめざす。

一般社団法人JC総研より

一次~三次までのどこを担うのかにもよりますが、生産からある程度一貫して消費者に製品を提供することは、特に農業においては「食べること」を支える、ひいては命を支える、といえるのかもしれませんね。

なので生命総合産業であり、食との距離を縮める必要があるのですね。
また、農業従事者の数が年々減り続けており(平成20年298.6万人、平成22年260.6万人、平成24年251.4万人 農林水産賞調べ)、日本人の食を支えているといっても過言ではない農業が、近い将来無くなる可能性も十分に考えられます。

モクモクファームのような規模ではなくとも、生産者が正しく消費者に作物を届けることを意識すれば、おのずと6次産業化するのではないか、と考えます。

最後は少し固い文章になってしまいましたね。
さて、今後は6次産業含め、農にまつわるさまざまなお話を少しづつお届けできればと思いますので、楽しみにしておいてください。

で、farm+bizもよろしく!